オール電化住宅を支えるさまざまな設備の中でも、電気とは決して切り離せないもの。それは生活空間を照らす「照明」です。
その照明の世界で今、約60年ぶりといわれる静かな「革命」が進んでいます。それは、蛍光灯からLEDへの世代交代。今回は、これまで私たちが手掛けてきた住宅での例も交えながら、LED照明の世界をご紹介しましょう。

LED=ランプ交換不要の照明

青色LEDの開発は、当時ビッグニュースでした。最近では、信号機のLED普及率はかなり上がってきています。
白熱電球、蛍光灯に続く次世代の照明器具として注目を浴びているLED。最近では、大幅な低価格化を果たした「LED電球(既存のソケットに取付けられるLED照明)」の発売がニュースになったことを目にした方も多いと思います。

LEDは、電流を流すと発光する半導体の一種で、発光ダイオードとも呼ばれています。赤・黄色などのLEDはスイッチのインジケーターなど、以前から様々な形で用いられていましたが、照明器具としての可能性が開けたのは1993年の青色LED、それに続く1996年の白色LEDの実用化によるもの。LED照明の歴史は、まだ始まったばかりなのです。

LED照明が革命的だと言われるのには、いくつか理由があります。消費電力が極めて少ないこと、LED自体はほとんど熱を出さず、紫外線も出ないこと、器具を小さくできることなどですが、照明器具として考えた場合の一番の理由は、40,000時間といわれるきわめて長い寿命をもつことでしょう。
40,000時間と言われてもピンと来ないかもしれませんが、これは一般的な使用状態であれば、15~20年に相当します。しかも、この寿命はランプ自体ではなく、器具に使われている樹脂や回路の劣化によるもので、むしろ器具自体の寿命です。つまり、LED照明は「ランプ交換不要の照明器具」なのです。

LEDのメリットは、交換不要・・それだけ?

これは何を意味するのでしょうか。ランプを買いに行かなくて良いからラク?

もちろんその通りなのですが、見落とせないポイントは「これまで取付けられなかった場所に器具を付けられるので、照明デザインの可能性が拡がる」ということです。
例えば、吹抜けの天井に照明を付けたかったとしましょう。これまでは、ランプ交換の度に足場を掛けなければならず、住宅でそんなデザインをすることは、とても考えられませんでした。この他にも細いスリット(隙間)に照明を入れたり、屋外の手が届きにくい箇所に照明を入れたり・・と、様々な可能性が考えられます。

ランプ交換が不要で、消費電力の極めて少ないLED照明は、メンテナンスを意識して器具の存在を目立たせる必要もないため、これまで一般的に考えられてきた「照明」のイメージを一変させるかもしれません。

例えばLEDの光が、まるで自然の明かりのように、どこからともなく溢れて部屋を満たしていく。水や空気と同じように、もはや私たちの生活に欠かせないものとなった電気が、照明を単なる設備器具以上のものに変え、「光そのもの」を作っていく。
こんな空間が、オール電化住宅の目指す、一つの理想の姿となるのではないでしょうか?

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