インドのイベント、プチ断食
フルーツだけ食べるプチ断食も一般的です
一例を挙げると、毎年2月頃行われるシバ神の祭り「シヴァラートリー」の期間は、普段は肉を食べる人も菜食のみにすることが多いです。妻が夫の長寿を願う「カルワチョート祭」では、夜になって満月を拝むまで、妻たちはフルーツと水だけで過ごします。特定の期間に限らず、「ハヌマーン神の日」である毎週火曜日は肉は食べないなど、「週一で肉断食」をしているという人も。イスラム教徒であれば、「ラマダン」の時期には当然断食を行います。
断食は宗教的な儀式ではありますが、「血液とエネルギーが浄化され、細胞が活性化する」といわれ、古来からの健康を保つ知恵でもあります。「空腹という本能的欲求から意識をそらし、自分の内面と向き合う」という精神的意味もあり、プチ断食はインド人の生活に浸透しています。
都市部でのインド料理の変化
現在、急速な経済発展を遂げているインドでは、まだ大都市部に限ったことではありますが、驚くほどのスピードでいろいろなレストランが増えてきています。5年前、10年前のような「インド料理屋しかない、他の国の料理屋があったとしても食べられる味ではない」のような情況ではなくなりつつあるようです。また、以前であれば、肉類の店は普通のマーケットにはなく、特定のマーケットに行かなければ手に入らないものでした。しかしここ最近では都市部を中心に雨後のたけのこのように増えているスーパーマーケットで、より簡単に手に入るようになってきています。肉とそのほかの食品を同じ店内に置くようになってきたことは、インド食文化にとってもひとつの大きな変化です。
食に関する非常に保守的な文化も、都市部を中心に徐々には、緩んできてはいるようです。