インド/インドの観光・世界遺産

インドの食事マナーと食文化を知っておこう!(4ページ目)

インドの食事マナーと食文化について紹介します。ランチタイムの東京のオフィス街のインド料理屋は常に満席で大賑わい。でも食べる機会はある割に知られていないインドの食文化やマナー、タブーな食べ物について学びましょう。

執筆者:冬野 花

インドのイベント、プチ断食

フルーツだけ食べるプチ断食も一般的です

フルーツだけ食べるプチ断食も一般的です

「祭りの合間に普通の日がある」といわれるほど、イベントの多いインド。一年を通して行われる数々のヒンドゥー教の儀式には、大小様々な断食が取りこまれていることが多く、人々は日常的に“プチ断食”をしています。

一例を挙げると、毎年2月頃行われるシバ神の祭り「シヴァラートリー」の期間は、普段は肉を食べる人も菜食のみにすることが多いです。妻が夫の長寿を願う「カルワチョート祭」では、夜になって満月を拝むまで、妻たちはフルーツと水だけで過ごします。特定の期間に限らず、「ハヌマーン神の日」である毎週火曜日は肉は食べないなど、「週一で肉断食」をしているという人も。イスラム教徒であれば、「ラマダン」の時期には当然断食を行います。

断食は宗教的な儀式ではありますが、「血液とエネルギーが浄化され、細胞が活性化する」といわれ、古来からの健康を保つ知恵でもあります。「空腹という本能的欲求から意識をそらし、自分の内面と向き合う」という精神的意味もあり、プチ断食はインド人の生活に浸透しています。
 

都市部でのインド料理の変化

現在、急速な経済発展を遂げているインドでは、まだ大都市部に限ったことではありますが、驚くほどのスピードでいろいろなレストランが増えてきています。5年前、10年前のような「インド料理屋しかない、他の国の料理屋があったとしても食べられる味ではない」のような情況ではなくなりつつあるようです。

また、以前であれば、肉類の店は普通のマーケットにはなく、特定のマーケットに行かなければ手に入らないものでした。しかしここ最近では都市部を中心に雨後のたけのこのように増えているスーパーマーケットで、より簡単に手に入るようになってきています。肉とそのほかの食品を同じ店内に置くようになってきたことは、インド食文化にとってもひとつの大きな変化です。

食に関する非常に保守的な文化も、都市部を中心に徐々には、緩んできてはいるようです。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます