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ハイビジョンの基礎知識 HDV・走査線とは?

地上波デジタルにBSハイビジョン、ハイビジョンカメラなどなど、身の回りにハイビジョンが多くなりました。この「ハイビジョン」に関して、HDV規格や有効走査線数やアスペクト比など、わかりやすく解説します。

阿部 信行

執筆者:阿部 信行

デジタルビデオガイド

地上波デジタルにBSハイビジョン、ハイビジョンカメラなどなど、身の回りにハイビジョンが多くなりました。今回は、この「ハイビジョン」について整理しておきましょう。

ハイビジョンってなんだろう?

「ハイビジョン」というのは、NHKが開発した高精細度テレビジョン(High Definition television)というテクノロジーの「愛称」なのだそうです。なお、高精細度テレビジョンのことを「HDTV」と略して呼んだり、あるいは「高品位テレビ」などと呼んでいます。この場合の「Definition」は、「解像度、鮮明度」という意味ですね。

そして、そのテクノロジーの目的は、「見る人により臨場感を感じさせる画質と画面の縦横比の実現」なのです。

なお、当初開発されたハイビジョンはアナログ方式でしたが、これをデジタル化して利用する方法がデジタルハイビジョンです。いまでは、ハイビジョンといえば、デジタルハイビジョンのことを指している場合がほとんどです。

これに対して、従来のテレビ放送は「Standard Definition television」といい、略して「SDTV」や単に「SD」と呼ばれています。

また、テレビ放送用のハイビジョン規格に対して、デジタルビデオカメラでのハイビジョン規格は「HDV」と呼ばれ、テレビ用のそれとは異なりますので、そのあたりについても整理しておきましょう。

では、HDTVとSDTVとではなにが違うのかというと、走査線数アスペクト比などが異なっています。これによって、高精細な映像を表示できるのです。おっと、わかりにくい用語が出てきましたね。では、わかりやすく解説しましょう。

走査線について

【インターレース方式】

テレビ放送では、1画面の映像を一度に送ることが出来ないので、細い横線に分解して送っています。この線のことを「走査線」といいます。

分解して送られた走査線は、テレビの画面上でもう一度組み立てることで、元の映像を再現しているのです。このとき、実は前後の映像の走査線を半分ずつ組み合わせて映像が表示されているのです。たとえば、1画面の奇数番号の走査線は、次の画面の偶数番号の走査線と合わせて1画面として表示されているのです。

といっても、1秒間に約30画面を高速に切り替えているので、そのようなことを目視することはできません。これによって、滑らかな動きを表現しているのです。簡単にいえば、目の錯覚を利用しているということです。

なお、前後の映像の偶数の走査線、奇数の走査線を互い違いに利用して映像を表示する方法を、「インターレース方式」といいます。

◎インターレース方式の表示方法

映像を細い横線に分解したものが「走査線」。
 
前の映像は、奇数の映像を使って表示。
現在の映像は、前の映像の偶数の走査線と、次の映像の奇数の走査線を、互い違いに表示。
このように、前後の映像の走査線を互い違いに表示するため、ちらつきが発生しやすい。
次の映像は、残った偶数の走査線を利用して表示。

 

【プログレッシブ方式】

前後の映像の走査線を互い違いに表示するのではなく、1画面の映像の走査線を上から順に表示する方法を「プログレッシブ方式」といいます。この場合、異なる映像の走査線を互い違いに表示しないので、ちらつきの少ない映像を表示できるという特徴があります。

◎プログレッシブ方式の表示方法

「プログレッシブ方式」では、1画面の映像の走査線を、上から順に表示する。

まとめると、インターレース方式は滑らかな動きが表現でき、プログレッシブ方式はちらつきが少なくなるといわれています。

【ハイビジョンの走査線数と画質の関係】

現在の日本のテレビ放送(SD)の場合、走査線は525本ですが、ハイビジョンでは、現行の走査線の約2倍の1125本を利用しています。走査線の数が多くなると、これまでのテレビに比べて、より多くの映像情報を送ることができるようになるのです。そして情報量が多くなれば、それだけ高画質になるというわけです。

ところで、走査線には、画面に表示されている走査線と表示されていない走査線があります。この場合、画面に表示されている走査線と表示されていない走査線を合わせたものを「総走査線」といい、画面に表示される走査線を「有効走査線」といいます。

通常、単に走査線数といった場合は有効走査線のことを指していることが多く、ハイビジョンの有効走査線数は1080本、SDの有効走査線数は480本になります。

なお、アナログハイビジョンとデジタルハイビジョンでは、有効走査線数が異なります。総走査線はどちらも1125本なのですが、アナログハイビジョンの有効走査線数は1035本デジタルハイビジョンは1080本になります。

また、ハイビジョンには、インターレースではなくプログレッシブ方式を採用した規格があります。この場合の有効走査線数は720本(総走査線数750本)です。カタログなどでは、これらの違いを次のように表示していることがあります。

インターレース方式 1080i
プログレッシブ方式 720p
  • i = インターレース方式
  • p = プログレッシブ方式
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