文字を画像にしていませんか?
一般的でないフォントを使ってタイトルロゴを表示したい場合など、文字を画像化したくなることがありますね。 デザインも重要ですから、ある程度は画像化も仕方がないでしょう。 しかし、あまりやりすぎるのは禁物です。 「必ずしも画像にしなくても良い」ものは、極力、画像にしないことをお勧めします。
例えば、数行に渡る文章を画像にするのは行き過ぎです。 ロゴなどのように1行以内に収まる文字以外を画像にしたくなった場合は、 画像化せずに目的が達成できないか、もう一度考えてみましょう。
今回は、文字を画像化してしまう場合のデメリットについて、簡単にご紹介致します。
画像化のデメリット
文字を画像化した場合のデメリットには、次のようなものが挙げられます。
- アクセス者が文字サイズを変更できない
- アクセス者が文字を検索できない
- 検索エンジンのクローラーが読めない
- データサイズが増える
- 修正が大変
- 文字をコピーできない
- 翻訳ソフトにかけられない
- 読み上げソフトで読み上げられない
- (場合によっては)表示領域を有効に活用できない
- 何らかの原因で画像ファイルが読めなかった場合に困る
それぞれの項目について、簡単に解説していきましょう。
■1.アクセス者が文字サイズを変更できない
テキストで記述された文字は、アクセス者がブラウザの機能を用いて、自分の読みやすいサイズに変更できます。 しかし、画像化された文字の大きさは変えられません。 これでは、アクセス者によっては「読みにくい」と感じるページになってしまう可能性があります。
■2.アクセス者が文字を検索できない
画像化された文字は、テキストデータではありませんから、ブラウザの検索機能を用いて検索する対象になりません。 ですから、アクセス者がページ内から特定の文字を探したいと思っても、見つけられなくなってしまいます。
■3.検索エンジンのクローラーが読めない
検索エンジンのクローラー(Web上の情報を集めて回るプログラム)は、画像化された文字を読むことはできません。 従って、画像化された箇所は、検索結果にヒットしないことになり、アクセス向上の面から考えてもマイナスになります。
※img要素のalt属性に、画像の代替文字を記述しておくことで、画像に何が書かれているかをクローラーに伝えることは可能です。 しかし、どのクローラーもすべてalt属性を読むとは限りません。 また、アクセス者が実際にアクセスしてきても、先ほどの「2.アクセス者が文字を検索できない」の理由から、記述されている場所を検索によって特定することができません。
■4.データサイズが増える
文字を画像にすると、データサイズ(ファイルサイズ)が大きくなってしまいます。 それだけ、ダウンロードにかかる時間(表示されるまでの時間)が長くなります。 また、ホームページスペースの占有容量も多くなります。
■5.修正が大変
画像にした文字を修正したい場合には、再度画像を作り直す必要があります。 ソースを書き換えるだけで修正できるテキストのように、気軽に修正することはできなくなってしまいます。
■6.文字をコピーできない
引用したい場合、ローカルに保存しておきたい場合、その単語について検索サイトで検索したい場合…など、 ページ上の文字をコピーしたいことが良くあります。 文字が画像化されていると、コピーができません。 これは、アクセス者をいらだたせる原因にもなるでしょう。
■7.翻訳ソフトにかけられない
ブラウザで表示されているページを翻訳するようなソフトウェアが発売されています。 当然、翻訳対象はテキストだけであって、画像内の文字までは翻訳できません。 これによって、外国からのアクセス者を逃すことになるかも知れません。
■8.読み上げソフトで読み上げられない
読み上げソフトは、テキストデータしか読めませんので、文字を画像化すると読み上げられなくなってしまいます。
※もっとも、読み上げソフトに対しては、画像(img要素)にalt属性を加えて、 適切な代替文章を書いておけば問題はないでしょう。
■9.(場合によっては)表示領域を有効に活用できない
画像は縦横のサイズが固定されています。 どれだけ横幅の広いウインドウで閲覧していても、画像内の文章が横方向に広がってスペースを有効に活用することはありません。
■10.何らかの原因で画像ファイルが読めなかった場合に困る
例えばサーバが混雑している場合など、まれに画像ファイルがサーバからダウンロードできないことがあります。 その場合、画像中の文字は読めなくなってしまいます。
※画像(img要素)にalt属性を加えて適切な代替文章を書いておけば、文字が読めなくなることはありませんが、読みやすいとは言えないでしょう。
上記のデメリットが問題にならない場合以外は、できるだけ画像化せずに済ます方法を考えることをお勧め致します。