製品概要「SHURE SE115」
プロ用マイクやヘッドホンで世界的なブランド「SHURE」(シュア)より、2009年6月12日、新モデル「SE115」が発売されます。価格は同社として低めの1万円程度に設定され、カラーバリエーションは、定番の黒に加え、青(ダークブルー)、赤(ダークレッド)、さらにヴィヴィッドなピンク(ショッキングピンク)と豊富に用意されていています。
SHURE(シュア)製品ラインナップにおける「SE115」の位置づけは、初めてSHURE製品を手にする入門者向けといえるでしょう。
音質も、ユーザー層を考慮してか、クラシック音楽などを分析的に聴くのではなく、ロック、ポップ、ヒップホップなどを楽しむ方向で設計されているとの事なので、同社のハイエンドタイプのとの違いも興味深いところです。
そんな「SHURE SE115」の実力とは?! 「SHURE SE115」は買いなのでしょうか? 製品を実際に試聴レポートします!
評価の前に「次世代ダイナミック型ドライバー」とは?
音質評価の前に、今回は、ちょっと仕組みについて触れておかなくてはなりません。それは、「SHURE SE115」が、新開発の「次世代ダイナミック型ドライバー」を採用している点。前モデルと言える「SE110」は、音を出す部分であるドライバーに、補聴器から始まった技術であるバランスドアーマチュアを採用していました。実はこのバランスドアーマチュアドライバは、その動作原理上、高域の繊細な音を再現するのが得意な一方、低音の力感が出せません。高級モデルであれば、バランスドアーマチュアドライバを2基、3基と増やして、繊細さと力感を両立できるのですが、「SE110」を含む、多くのメーカーの比較的安価な入門クラス製品では、1基しか使っていないので、低音が不足してしまうと言う訳です。
つまり、音質よりも、販売する上で、先行する高級モデルで定着した「バランスドアーマチュア=高音質」のイメージを利用したかったのでしょう。
「SHURE SE115」では、この価格帯でベストな音質を得るために、「バランスドアーマチュア」の名を捨て、「次世代ダイナミック型ドライバー」を開発して搭載した点で、質実剛健さを予感させます。