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64bit環境に移行するノートパソコン

コンピュータのハードウェアの進化は早く、数年に一度、世代交代が必要になるが、ノートパソコンでも2008年から徐々に始まっているのが32bitから64bitへの移行だ。

上倉 賢

執筆者:上倉 賢

ノートパソコンガイド

コンピュータのハードウェアの進化は早く、数年に一度、世代交代が必要になるが、ノートパソコンでも2008年から徐々に始まっているのが32bitから64bitへの移行だ。

32bitは2の32乗で、4,294,967,296(約43億)となる。これをメガバイトで表すと、4096MBとなる。つまり4GBで、2009年でも多いノートパソコンの最大メモリ量となる。 CPU自体は以前から64bitに対応していたが、ノートパソコンのチップセットの対応は遅れていた。 2008年からは、インテルのノートパソコン用チップセットなどが、対応したことにより、ハードウェアとしては4GB以上のメモリを搭載できるようになり、64bitへの移行も本格的になり始めた。

その、64bitは2の64乗で、18,446,744,073,709,600,000(約1845京)となる。これは、16EB(エクサバイト)というメガ・ギガ・テラ・ペタの次となるエクサという順に来る聞き慣れない単位でしか表現できなくなるほど。しかし、現時点ではエクサという容量は大きすぎるため、実際に64bitになってもここまでは使用できず、CPU、OSなどにそれぞれ物理的な制限があるが、一般に64bit対応としているものは最低でも8GBのメモリまでは対応しており、サーバー用OSなどもテラバイト単位のメモリに対応するなどしている。

ノートパソコンでは、ハードウェアとして物理メモリ量も含めて本格的に64bitに対応できるようになったのは2008年から。 OSは、Mac OS Xは2005年の10.5 Tigarから64bitに順次対応しユーザーが選ぶ必要はないが、Windowsの場合、64bit版と32bit版は完全に分けられているので、どちらをインストールするか選ばなければならない。 64bit版の対応が最も早かったのがHP(筆者調べ)で、その後、各社続くようになったが、Windowsの場合、ドライバやアプリケーションソフトの確認などが必要なことから、各社全面的な導入というのは遅れていた。

VAIO type C VGN-CS62JB/P
その中で、一般ユーザー向けも含めて64bit OSを導入しているのがソニーのVAIOシリーズ。 2009年4月に発表されたVAIO type C、VAIO type Nなど、平均的なユーザーが使うモデルに関しても64bit版モデルしか用意されておらず、カスタマイズで32bit版OSを選ぶことも出来ない。

ソニー64bit版Windows Vista

一般的に64bit版でも32bit版のアプリケーションソフトなどは動作するが、場合によっては動かない場合もある。ドライバが対応していない場合は、周辺機器が使えないという事もあり得る。例えば、AdobeのFlash PlayerのWindows版は64bitに対応していないので、64bit版OSでWebブラウザを使う場合、32bit版のWebブラウザを使う必要がある。

Adobe Flash Player 10について

32bit版のWindowsでは3.2GB程度のメモリしか利用できず、4GBのメモリを搭載しても、0.8GB程度の無駄がある。また、まだまだメモリモジュールは高価だが、4GB以上のメモリを搭載することも可能で、64bit版のOSを使うことで広大なメモリを使い、アプリケーションソフトの動作がより高速になるなど様々なメリットがある。

現在は32bitから64bitの移行期で、全てのユーザーが64bitに移行する必要はないが、より先進の環境を試してみたい方は、64bit版OSを選ぶのも悪くないだろう。
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