ファンダメンタルで選ぶ
ファンダメンタルというのは、企業の業績や成長性から株価が上がるのか下がるのかを判断する方法です。たとえば、単純な例でいえば不景気が進んで多くの人が安いものを買っているな、と思ったら、そういったサービスを提供している会社の業績は好調になる可能性が高いのです。こういった流れを知るには、世の中の動きなどを把握する必要性も出てくるので、ある程度の広い視野が必要になります。しかし、世の中の動き、トレンドをくんだ銘柄というのは、トレンドが終わってしまうとすぐに株価を下げてしまうこともあります。なので、時期的要因を含むような銘柄の場合いは、長期的に保有するというよりも、ブームに乗るというイメージかもしれません。
過去の例でいえば、インフルエンザが流行ってマスクの需要が高まったときのダイワボウがあります。チャートを見てわかるように、話題性が薄れると株価は一気に下がります。ということは、こういった銘柄は長期的な考えで持つのではなくて、あくまである一定の期間、つまり話題性があるときにだけ持つ銘柄ということもできそうです。
ダイワボウの6ヵ月間のチャート。マネックス証券より。
テクニカルで選ぶ
テクニカルというのは、基本的にチャートを見て買いか売りかのタイミングをはかる方法です。ですので、極端な話、その会社がどういう会社なのか?業績はどうなのか?ということはほとんど関係ありません。なので面倒そうな企業分析がない分、テクニカルの方が簡単そうと思うかもしれませんがそうでもありません。テクニカルを使う場合には、ローソク足の見方、チャートの基礎ができているのはもちろんのこと、移動平均線などの知識も必要になってくるので、案外多くの知識が求められてきます。
移動平均線は、チャート上に描かれているピンクと青のライン。25日や75日など、一定の期間の株価の平均を線でつなげたもの。
もちろん短期投資や長期投資においてもテクニカル的な視点は必要になってくるのですが、それぞれ見るチャートが違います。短期であれば、1日や数日の値動きを見るので、日中足チャート、日足チャート、あるいは3ヶ月のチャートを見て、長期になると月足チャート、あるいは1年、2年、場合によっては5年、10年のチャートを見ます。これに対して中期は、日足チャート、週足チャートが中心になってきて、見る期間も半年くらいのスパンになってくるのです。
もう1つ、自分の勝ちパターンを持つことも大切です。これは経験がモノを言う方法でもあるのですが、逆に経験を積むことによってわかってくるものです。場合によっては「勝ち銘柄」が出てくるかもしれません。これは自分と相性のいい銘柄ということで、「なぜかいつも勝てるんだよね」という、とても不思議な銘柄でもあります。
ファンダメンタルにしてもテクニカルにしても、中期的な投資を考えるのであれば、売るタイミングを考えておく必要があります。株価が上がっているときには、売るタイミングを先延ばしにしてしまうことが多く、結果気がつけば株価が下がっていたということもあります。そうならないためには買うときに目標価格を決めておくといいでしょう。そうすれば売るときの躊躇が軽減されます。
売ったあと株価が上がってもそれはそれで「よし」とする気持ちがとても大切です。中期投資に限らず、次のチャンスを待てばいいだけの話なので、気持ち的にもゆとりをもって行うことが投資を続けるコツかもしれません。