招待状の常識・非常識 その1
変遷のところで述べたように、世間の結婚観の変化に伴って、招待状の常識も変化しています。結婚の感覚が違えば、招待状の常識が違うと考えても、あながち間違いではありません。いくつかその例を見てみましょう。
●差出人
招待状の封筒の後ろには、両家の代表者の住所と名前が書かれています。そして、招待状の文面にも、同じ人の名前が出てきますが、これを差出人と呼んでいます。
差出人は結婚式の主催者に当たりますが、これを誰にするかで意外ともめるケースが多いのです。親にするか本人にするか、親世代は親の名前が常識でしたし、子世代は本人の名前をよく見る……という世代の差です。
どちらも間違いではありませんが、親の名前で出すと、よりフォーマルな場と捉えられる、親族にわかりやすいということがあり、本人の名前で出すと、今時で気軽なイメージになり、仕事関係者や友人にわかりやすいということがあります。また、お金を出す人=主催者ということで、出資者を差出人にするという暗黙の了解が。両家できちんと話し合って決めることが大切です。
●宛名書き
現在でも、手書き、それも筆書きであるべきという意見はありますが、印刷も一般的になりました。確かに手書きの方が丁寧ですが、見るに耐えない筆書きよりは、見た目も美しい印刷でもいいじゃない、という感覚に変わってきました。
意外と間違いやすいのは、縦書きか横書きかというところ。招待状の本文が縦書きなら、宛名も縦書き、横書きなら宛名も横書きです。これは手紙のルールと同じですね。
それから、誰の名前を書くのかということも迷うところ。夫婦や家族は1通で出しますが、宛名は呼びたい人の名前全てを書きます。特にお子さんがいる家庭に出す場合は、積極的にお子さんも呼びたければ、お子さんの名前も書きましょう。ただ、封筒のスペースを考えると、せいぜい4~5名の名前を書くのが精一杯ですから、代表者の名前を書いて、あとの人は「ご家族様」としてもOKです。