カナル型イヤホンは装着方法が命
周囲がざわざわ騒がしくても、耳栓のように遮音性が高く、静かなリスニング環境が保てるカナル型は、小さな音も聴き取り易いのが特徴です。小さな音が聴き取れると言う事は、微小な余韻や低音も聴き取れると言う意味で、臨場感も豊かになり、音質面でも有利なのです。また、WHOが「若者たち11億人がスマートフォンなどの音響機器利用や娯楽イベント等での大音響により深刻な難聴リスクに晒されている」と警鐘を鳴らしたことにより、社会的関心が大きく高まった「ヘッドホン難聴」に対しても、周囲の騒音を低減し、また、それによって音楽の音量も小さくできる可能性のあるカナル型は有利と考えられています。
しかし、筆者鴻池の周辺では、カナル型に良い印象も持っていない人も多い事に気がつきました。気になって調べてみると、意外と多くの人が正しい装着方法を知らず、本来の性能を引き出せていなかったのです。カナル型は装着方法が命!正しく装着して、良い音で楽しむ方法をご紹介します!
【目次】
カナル型イヤホンは耳栓
旧来から馴染みの深いインナーイヤータイプは、耳の穴の入り口に乗せるような装着方法を前提として設計されています。カナル型は比較的新しいタイプで馴染みが薄いせいか、インナーイヤー式と同じように、耳の入り口に乗せてしまう人が多い事に気がつきました。この場合、音はスカスカに聴こえてしまいます。 カナル式は、「耳栓」と思えば良いでしょう。周囲の音が聞こえ難くなるまで、しっかりと耳栓のように、耳の穴にネジ込みましょう。
こうする事で、低域の音は空気を揺らすかのように豊かに、中域の音は艶を増して密度が高く、高域の音は、余韻の美しさまでも逃さずに聴き取れるようになります。
カナル型イヤホンのイヤーチップの大きさを選ぼう
カナル型のヘッドホンには、少なくとも、大、中、小といったサイズのイヤーチップが付属していて、ユーザーの耳の穴の大きさに応じて選べます。大き過ぎるイヤーチップは耳の穴が痛くなりますし、小さすぎると遮音効果が落ちたり、歩行中に脱落する原因となります。音質と快適性を両立させる為には、イヤーチップの選択がとても重要なのです。
カナル型イヤホンのイヤーチップの材質を選ぼう
すこし高級なカナル型になると、比較的硬くて形状のしっかりしたシリコン製と、スポンジのように変形が自由自在な「フォーム」と呼ばれる2種類が付属しています。シリコン製は、着脱が容易と言うメリットがありますが、長時間装着していると、耳の穴が痛くなったり、歩行時は、足音がゴツゴツと響きやすいデメリットがあります。一方、フォームタイプは、装着前にフォームを小さく潰す必要があるのが面倒でデメリットですが、一度装着してしまうと、膨らんで耳の穴の形状にピッタリとフィットする為、長時間のリスニングも快適です。歩行時のゴツゴツ感も比較的少なく、材質によっては遮音性能も高い傾向にあります。
カナル型イヤホンの装着のコツは「冷えた指先」?
筆者鴻池のおすすめはフォームタイプ。装着前にフォームを潰すときのコツは、冷えた指先で作業する事。フォームは低温になるほど復元力が弱く、耳の穴に入れるまでの時間に余裕ができます。夏場、温かい指で作業すると、スポンジのようにサッと元の形に戻ってしまい、耳の穴に入れ辛いものです。冷蔵庫で冷やしておくと良いかもしれませんね!おすすめのカナル型イヤホン
遮音に適したカナル型イヤホンも、製品によっては性能が異なります。遮音性に優れた製品を選んで、より快適に!・SHURE SE215SPR
プロ用マイクの世界的ブランド「SHURE」は、ミュージシャンのステージモニター用イヤホンで一躍有名に。カナル型イヤホンブームの元祖的存在で、独自のイヤーチップは遮音性の高さにも定評あり。
・SHURE SE535LTD
SHUREのハイエンドモデル。3基のバランスド・アーマチュアドライバー採用し、豊かな低音と繊細で美しい高域音の表現を両立。筆者も新幹線内で愛用の品です。
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