「フランス婚」って一体何?
“大人の女性”という形容詞がぴったりとハマる女優、夏木マリさん。50歳を過ぎても変わらぬ妖艶な美しさを保つ彼女が、来春、結婚することを明かしました。お相手はパーカッション奏者の斎藤ノブさん。報道陣に結婚のことを聞かれた夏木さん、ご自身の結婚を評して「フランス婚」とおっしゃったそう。はてさて、「フランス婚」とは一体なんぞや?おふたりは婚姻届は出さず、事実婚の形を取る予定で、フランスで事実婚カップルが多いことから、「フランス婚」という命名になったよう。また、夏木さんはこの春、「私の人生には愛が足りない。フランス人のように愛に生きる」と“フランス人宣言”をされていらっしゃったそうなので、それにも引っかけているのかもしれませんね。
なぜフランスに事実婚が多いの?
フランスでは事実婚カップルが多い |
なぜフランスをはじめとする欧米諸国で事実婚の割合が高いのか。理由はさまざまありますが、そのひとつには男女の結びつきの多様さを認める制度が考えられます。
フランスでは1968年に「5月革命」と呼ばれる反政府運動が起りました。この運動は政治的な要求だけではなく、古い価値観を打破しようという精神的な運動の側面もあり、「フリーセックス」や「自由恋愛」といった考え方も叫ばれたのです。それが事実婚カップルを増やす結果となったと言われています。ちなみに、こうした事実婚カップルはユニオン・リーブルと呼ばれ、いまではフランス社会に浸透しています。
さらに、1999年には「連帯市民協約(PACS)法」が成立。これは事実婚カップルに、法律婚カップルに準じた社会的権利を認める法律です。PACS婚をするとふたりは共同納税者となるので、ひとりずつ税金を納めるよりも納税額は安くなることに。贈与税や相続税の軽減措置も受けられます。読売新聞の記事によれば、ユニオン・リーブルやパックス婚のカップルは2004年には240万人、6組に1組の割合になっているとか。
こうした社会の動きや制度がフランスでの事実婚カップルの増加を後押ししているのは確かなようです。
「フランス婚」は大人の新しい結婚の形?