株・株式投資/株式投資のスタイル

短期投資の甘い罠を知らない投資家たちへ

正気なところ、短期投資は魅力的に見えることが多いと思います。場合によっては1日で月の給料分を稼ぐことができたり。でも、その裏には甘い罠があることを知っていますか?

川崎 さちえ

執筆者:川崎 さちえ

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短期投資は確かに魅力的に見えるけど… 

投資をするからには、できるだけ早く利益を得たいと思うのが人の心。それは否定できない心理だと思います。1年後に利益を得られるよりも、今日利益を得られる方が気分的にもいいのは当然のこと。だから、投資家(トレーダー)はそれを目指して相場に向かっています。

相場に向かう方法の1つとして「デイトレード」や「スキャルピング」などの短期トレードが取りざたされて、ものすごい人気を博していた時期もありました。その中で普通のサラリーマンが一生をかけて稼ぐ以上のお金を手に入れてしまったトレーダーが出てきて、ますます短期トレードに注目が集まりました。

でも、一方では何も知らずにいきなりトレードをしてしまって、あっという間に資金を失った人がいるのも事実。短期トレードのいい面だけを見てしまって、短所を見ていなかったということもあるのではないでしょうか。短期投資は華やかでかっこいいかもしれませんが、あまりオススメできない面もあるのです。

理由その1 他への集中力が薄れてしまう 

短期投資をオススメできない理由の1つが、他の事に集中できなくなるということ。たとえば寄り付きから大引けまでずっと画面に張り付いているとしたら、その間は身動きが取れないのです。極端な話かもしれませんが、これは本当の話。
 

極端な話、大切な人の誕生日を忘れてしまうことも・・・。

極端な話、大切な人の誕生日を忘れてしまうことも・・・。

いったん株を買ってしまう、あるいは空売りをしてしまうと、株価がどう動くのかが気になって仕方なくなるのです。自分が見ていない間に5円上がったらどうしよう、5円下がったらどうしよう。そんなことばかり考えるようになって、結果的に画面に張り付くことになります。

しかも場が開いているときだけ集中するのであればまだいいのですが、それ以外の時間もトレードのことを考えるようになる可能性が高い。たとえば、その日に売買が終了せずに持ち越した場合、何か多きなニュースが出たらどうしよう、アメリカの相場が大きく動いたら、きっと影響を受けるだろうな、そんな不安にも似た気持ちを抱えることになります。

そういう心理的なことを考えた場合にも、短期投資というのは、案外難しいことがわかります。
 

理由その2 ある程度の資金が必要 

短期的に利益を狙うということは、1回のトレードに使う資金もある程度多くなってきます。なぜならば、少しの株価の動きで売買をするので、買う株数が増えるからです。

たとえば、今株価が300円の銘柄Aがあったとして、この株価が400円になるまで待つ場合、1000株買えば10万円の利益(手数料や税金は考えていません)になります。ただし、ここまで株価が上がるには、時間がかかります。よほどビックニュースがない限り、1日や2日で100円上がるということはないといっても過言ではないのです。

しかし、同じ10万円の利益を短期間で狙う場合、1万株を買えば10円上がった時点で10万円の利益になるのです。仮に10万株であれば1円動けばいい。

それなら手っ取り早いじゃないかと思うかもしれませんが、株価が上がればそれだけのリターンがあるのですが、株価が下がったときのことも考えておく必要があります。つまりたくさんの株数を買う場合、リスクがとても大きくなるのです。

こういったリスクは案外軽視されていますが、むしろリスクの方を重視することが、資産管理、しいていえば資産を守る、あるいは自己防衛には欠かせないことなのです。

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