メキシコの郷土料理はお手のものアボカドをさっぱりとした調味料で仕上げた「ワカモーレ(アボカドディップ)」。ワカモーレは定番中の定番だが、シンプルな料理ほど技量がわかるもの。ひとくち食べて、目を瞑ってゆっくりと味わってしまったほど、完璧に好みの仕上がりだった。アロスコンマリスコスは、えびの頭と殻、魚の骨などをベースにしたスープで炊きこんでいるだけあり、かなり濃厚な味わい。かみ締めるごとに口中に旨みが広がり、タイ米のほろりとしたほぐれ加減も、これまた口福。一見シンプルな料理と思いきや、想像以上に奥深い味わいが楽しめたので、何だか得した気分になってしまった。(写真は前頁)私の大好きなモレ。モレ(ソース)はカカオをはじめ、ごま、フルーツ、スパイスなど、30種類以上もの材料がはいる贅沢なソースなだけに、作り手によって味はさまざま。こちらのモレは、辛みと苦みがピシッときいたシャープな味。ガブリエル氏は、さすがプエブラとともにモレの名産地として名高いオアハカのご出身。いままで食したなかで、もっとも好みのモレでございました。これぞ本場!といわんばかりのタコスをぜひ!タコス3種。右手前から「カルニタス」「アルパストール」「コチニータピピル」。タコスと聞いて、パリパリに揚げられた皮(トルティージャ)にひき肉、レタス、玉ねぎなどをはさんだ料理を想像するかたもいらっしゃると思うが、それはアメリカンスタイルのタコスであって、メキシコでは一般的に皮は揚げない。具も牛、豚、鶏、羊、内臓など実に多彩。テピートでも、本場メキシコスタイルで提供してくれる。ユカタン半島の郷土料理である、豚肉をバナナの葉に包んで蒸し焼きにした「コチニータピピル」、豚肉とパイナップルをあわせて焼いた「アルパストール」、豚肉を特製の味つけでじっくりと茹であげた「カルニタス」などを揃えている。あまり聞きなれないものばかりでしょ?そうなんです。テピートでは、とにかく他では味わえない逸品が揃っていて、記憶に残るものばかり。それに、ソースもかなり美味。タコスをガブリ!と豪快にほおばりながら、思わずメキシコの街角で舌鼓をうったタケリア(タコス屋)での食事が脳裏に浮かんだほどだ。前のページへ12345次のページへ