喧騒をぬけた一角に佇む実力派のメキシコ料理店

店の名は「Tepito テピート」という。
店頭
メキシコの名器アルパの一部が飾られた個性的なドアが迎えいれてくれる
下北沢の地に足を踏み入れたのはじつに久しぶり。ずいぶん前に訪れたとき、駅周辺は原宿の竹下通りのような雰囲気でどうも落ち着かないなぁ、と避けていたのだが、店はそんな喧騒を抜けた一角。ビルの3Fにメキシコ国旗をたなびかせながら堂々と佇んでいた。

アルバの部品が飾られた雰囲気のあるドアを横目に、店内に足を踏み入れると、ほのかな明かりのなかからメキシコの空を思わせるすがすがしい青壁が。そしてアクセントに味わい深い赤。店内はこじんまりとしていながらも、テーブル間に余裕があるためか、しっとりと過ごせる空間だ。そっと身をゆだねてしまいたくなる、そんな居心地のよさもある。

迷いの極致に達する料理たち

メニューを開いた。これでやっとガブリエル氏の料理を口にできる。宝箱のなかにずっと大切にしまっておいたものを手にとるときのように、記憶をゆっくりと辿っていたら、高揚感が高まってきた。さて、何にしようか……。

アロスコンマリスコス
魚介類を贅沢につかったスープでタイ米を炊き込んだ「アロスコンマリスコス(シーフードピラフ)」。
ガブリエル氏の故郷であるオアハカ州の有名料理も、定番料理もおおよそひと通り揃っている。黒板に目をやれば、おぉあの料理が!といったレアな料理もある。あまりに気になる料理がありすぎて、迷いの極致に達してしまった。う~ん。結局、お店のかたの簡潔かつ適切な説明から、オススメ料理を中心に頼むことにした。

ワカモーレ(アボカドのサラダ)、アロスコンマリスコス(シーフードピラフ)、モレ(チキンのチョコレートソース)、タコス、フラン(プリン)。