かさまし野菜としても大活躍
莢の長さが10~15cm、直径が2~3cm。ひらひらと4つの翼がある緑色の野菜。
日本名「四角豆」も、初めてみたときは、“えっ、なにこれ。唐辛子?サボテン?!”と、見慣れぬその姿に驚いた。くるりとコシが曲がっているその姿は、まるでいまにも動き出しそうで、ドキッとしたものだ。(写真を見てみて。世界の珍しい昆虫として紹介されてもおかしくないでしょ。)
断面が四角形のこの野菜は、マメ科のトウサイ属。
サヤインゲンや絹さやのように若い莢や種子を食し、食感がしゃきしゃきとしていて、食べ応えはじゅうぶん。ほんのり苦みがあるのだが、それほど個性的な味ではないので、比較的さまざまな料理に使えるのは便利なところ。
それに、立体的な形は調理しても崩れにくいので、料理のかさましとしても大活躍。わが家の食卓には、いまの時期は頻繁に登場する、お助け選手です。
沖縄では“うりずん”の名で知られる
原産地はパプア・ニューギニアと東アフリカの2説があるようだが(新版 食材図鑑 生鮮食材編 小学館より)、現在はタイ、インドネシア、マレーシアなどの熱帯アジアで広く栽培され、マレー語で “カチャン・ボトル”、タイ語では “トゥア・プー” などと呼ばれる。日本ではおもに沖縄で栽培され、沖縄では“うりずん”の名で親しまれているのだが、最近では、東京近郊のスーパーでも沖縄産が姿を現すようになり、四角豆(うりずん)の知名度もじわりじわりと上昇中。ご存知ないかたは、この機会にぜひチェックしてみてくださいね。個人的には、ゴーヤーのように、四角豆もある程度は定着するのでは?(ものすごいブームになるとまではいかないだろうけれど・・・)なんて思っていますので。