ラオスの首都ビエンチャンでは、街角の簡易食堂や屋台ばかりを利用していた。ビール1缶(350ml)50円の物価に慣れてくると、こぎれいな店構えのレストランに入る気が全くしなかった。近隣諸国に比べればラオスの食事代は意外と高いけれど、日本人の感覚からすれば安い。しかし、外食習慣があまりないラオスの人たちにとっては、外食は贅沢なこと。
直接言葉は通じないけれど、ゆっくりのんびりと過ぎていくラオス時間を愉しみつつ、何とかコミュニケーションをとりながら、できるだけ彼らの食に近づいてみたかった。朝昼晩、ひとりで時には知り合いのラオス人と、地元人が集まる店に自転車やバイクで巡ってみた。

屋台の定番朝食メニュー「麺」

街中でも市場でも、すぐ目に入ってくるのが屋台。朝から昼過ぎまではお粥や麺の店(夜でも出しているところはある)、日が暮れる夕方からは惣菜、デザート、ドリンク店などがポツリポツリと店を開け、常に道端には食欲をそそる香りが漂っている。香りに誘われあっちをキョロキョロ、こっちをキョロキョロ。全然前に進まない。こんなときは人のペースを気にしなくて済むひとり旅は気が楽だ。

中国、ベトナム、フランスの影響を色濃く受けているラオスの食。それをもっとも身近に感じられるのは屋台。まずは朝ごはんの定番ともいえる「麺」から紹介したいと思う。ただ、麺メニューはものすごく種類が多いので、ラオスではこういう麺をこんなスタイルで食べているのか、とおおよそのことがわかっていただける程度にまとめてみた。



麺は基本的に、麺の種類、具、スープあり・なしを好みで選び、テーブルに置かれた魚醤油、唐辛子、砂糖、唐辛子酢、チリソース、化学調味料などで味を仕上げ、別皿のライム(すだち)やもやし、揚げパンなどをつけたり入れて食べるのが一般的。これはアジアでは共通していることだが、ラオスでは中国の影響が強いためか、黒酢を置いている店も多く見られる。

こだわりの人気店は、麺や具は決まっていてスープの有無しか選択できないところが多く、麺の量もとても少ない(写真左上は大盛り)。日本の高級そば屋のように2、3回すくったら終わってしまう。知らなくて普通に注文してしまったときは、美味しいだけにあまりの悲しさに一瞬言葉を失ってしまった。

ベースとなるスープは店によって味や香辛料が異なり、同じ麺はひとつとしてない。麺好きの国だけあり、みな好みの味を求めてひたすら食べ歩き、気に入った店を見つけると、多少値段が高くてもせっせと通う。そのせいか、人気店は結構強気な商売をしているように感じた。こんなところは日本のラーメン店と少し似ているのかもしれない。(麺を茹でスープを入れているところを撮ろうとしたら、すごい勢いで断られた。無神経な自分の行動を反省したけれど、それにしてもこんなことはアジアでは初めてだったので少し驚いた。)

麺好きの中華系ラオ人に連れて行ってもらった、中心地からバイクで5分ほどいったところにあるラーメン店。
昼過ぎには売り切れてしまう人気店だ。(上の写真はこの店のもの)
スープは鶏と豚のダシがしっかり効いた澄んだタイプ。化学調味料を多用するラオスにおいて珍しく使用量が少なく、スープの深い旨みで勝負しているところが支持されているようだ。ここでは麺の種類や具は決まっていて、選べるのはスープの有無だけ。
場所はChao Anou通りをひたすらまっすぐ行き、右手にある小学校の左手前。

ラオスの麺はまだつづく

<世界の食紀行>~ラオス編~ vol.1ラオスの食を求めて