資産運用

プロが語る!曖昧な中期投資との付き合い方(2ページ目)

短期投資と長期投資は、比較的わかりやすい区分けの仕方だと思うのですが、「じゃ中期は?」というと、案外わからないものです。そこで問題を解決すべく、今回も投資のプロ3人にお話を伺いました。

川崎 さちえ

執筆者:川崎 さちえ

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個人投資家の強みは? 

個人投資家の場合、消費者としての目線を持つことができるのだから、それだけメリットがあるのも確かです。これはアナリストや消費の現場から離れている人にはない目線で、しかもリアルな情報を得ることでもあるのです。

これに関連して、藤野さんが失敗談を話してくれたので、ここでちょっと紹介してみましょう。たまたま子供との会話の中で「瞬足」という靴が流行っているという話を聞いたときに、「瞬足」⇒「アキレス」⇒「上場している」と思考が働かなかったそうです。そして数ヵ月後、新聞に「アキレス上方修正」という記事が出て株価が上がったときに、すごく悔やんだとか。

日本人は業績と株を関連付けることが少なく、すごく売れているのに株価が安いという場合もたくさんあります。これは消費者が投資家の視点で物を見ていないから。逆に考えれば、アナリストは日々すべてをチェックすることはできないのだから、そこにこそ消費者の強みを出せる場があるのです。すべてのことは現場から始まり、その現場に一番近いところにいて情報を握っているのは消費者。

でも、一般的な消費者は、アナリストよりも早く情報を得ている可能性があるけれども、それを投資に活かそうという発想にならないことが多分にあるのが実情です。でも、それはすごくもったいないこと。

特に女性の場合にはショッピングをする機会も多く、お店には上場企業が関係した商品がたくさん並んでいて、どれが売れていてどれが売れていないのかということもわかります。こういったことは株価情報といってもいいでしょう。だから、それを活かさないのはもったいないのではないでしょうか。
 

すべての人ができる投資を考える 

すべての人にデイトレができるわけではないのは確かなことです。日中仕事がある人が、仕事の合間にトレードをするのはどうなのか?ということになってしまいます。もちろん選択肢の1つとしては休み時間に携帯を使ってトレードをすることもありなのかもしれませんが、今度は心の問題が出てくると思うのです。

自分でやる場合、どうしても株価が気になってしまうから、他のことに集中できなくなります。実際に私にはデイトレを中心とした短期トレードの経験があるのですが、やはり心の余裕がなくなってしまいました。そのときに、これは大きな問題だと思ったのです。

だったらどうすればいいのかというと、短期という位置づけではなくて、長期という位置づけにするというのが選択肢の1つにあります。つまり、株価の動きだけで売買をするのではなくて、お金を社会に投入することで経済を支え、企業を支える。そしてその成長と共に株価上昇の恩恵を受けるという息の長い投資を考えればいいと今は思っています。

これならば、仕事を持った人にでもできるし、銘柄を選ぶことが難しいと思う人でも、プロに任せることができるので、わずらわしさもなくなります。そういったことを可能にする手段の1つが投資信託。

もちろん短期トレードを否定しているのではなく、あくまで投資信託という商品があると知り、それを利用することで、自分で銘柄を選んで投資をするよりは、自分の時間を持てるようになってくるということは言えると思うのです。その時間を使って、もっと人生において有意義なことをする方が、自分のためにもなってくるのではないでしょうか。

こう考えると、投資はただお金を増やす行為ではないことがわかります。そこには人の生き方がとても深く絡んできます。投資は非常に奥深いものです。

 

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