スイーツ・デザート/スイーツ専門店・パティスリー・洋菓子店

パティスリー・サダハル・アオキ・パリ(丸の内)(4ページ目)

パリに本店を構える青木定治氏が2005年3月にオープンさせた日本初のブティックです。プティ・ガトーはもちろんのこと、焼き菓子のおいしさがとにかく秀逸!

執筆者:来栖 けい


傑作すぎます!

ケーク・オ・フリュイ
極めに極めた「ケーク・オ・フリュイ」(3,800円)。
数ある商品の中でボクが最も素晴らしいと思うのは、焼き菓子(半生菓子)の出来映え。種類も豊富で、総合的にみればNo.1だと断言してしまってもいいでしょう。特にシャラント産のバターをふんだんに使い、南仏産のイチジク、アプリコット、洋梨、アジャン産のプルーンなどのドライフルーツと、グルノーブル産のクルミ、ピエモンテ産のヘーゼルナッツ、スペイン産のアーモンド等を練り込んだ「ケーク・オ・フリュイ」(3,800円)と、抹茶を練り込んだ緑鮮やかな「ケーク・オ・抹茶」(大1,800円 小750円)のおいしさは衝撃的。


ケーク・オ・フリュイ
パウンドケーキ好きほどハマる一品です!
前者は、キルシュやスパイスに漬け込んだ濃密かつ芳醇なドライフルーツと、バターが粉の粒子一粒一粒にしっかりと行き渡ったしっとり豊かな生地。この主張の強い両者が渾然となった風格ある一品で、ひとくち食べただけで圧倒されるほどの見事な出来映え。「しっとり」とはいっても、それは水分をたっぷりと抱き込んでいることによって感じるそれとは違い、バターが回った生地にしっかりと火を入れることで生まれるしっとり感。それでいて、パサつき感は微塵も感じません。素晴らしき職人技ですね。

リキュールの風味が強めに効いてはいますが、全体に馴染んだバターによってその風味はまるみを帯び、心地よい熱が鼻孔へと送り込まれます。ナッツやドライフルーツも生地と完全融合していて、コリッ&しっとりとしたナッツの香ばしさ、幾重にも重なるドライフルーツの甘みと酸味が、なんとも複雑なおいしさを演出します。あらゆる面で、そのバランスの良さ、完成度の高さを痛感させられる一品ですね(カットされた“トランシュ・ケーク・オ・フリュイ”(大450円 小220円)もあります)。


ケーク・オ・抹茶
「ケーク・オ・抹茶」(大1,800円 小750円)。
後者は、全体に回ったバターの風味と、そこから放たれる抹茶の香り。この香りのマリアージュにうっとり。抹茶の持ち味をフルに生かしながらも、そのほろ苦さはバターの芳醇さにやさしく包み込まれています。


ケーク・オ・抹茶
抹茶好きにはたまりません!
生地の表面には、抹茶風味のグラス・ロワイヤルとあんずジャム塗られているので、抹茶&バターの香りは寸分たりとも逃げ出しません。ナイフを入れてはじめて、品のよい抹茶香が嗅覚に襲いかかってくる感じです。そして口の中で感じる芯のある甘み(グラス・ロワイヤルの)によって、抹茶の風味はより一段と引き立てられるのです。

パウンドケーキ同様、「フィナンシェ 抹茶」(丸型310円 角型210円)もかなりのおすすめです。


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