洋菓子界において群を抜く存在!

チーズ・ケーク・シトロネ
「チーズ・ケーク・シトロネ」(600円)。レモン風味のチーズケーキ(レアタイプ)です。
パリに本店を構える青木定治氏が2005年3月にオープンさせた日本初のブティックです(現在は新宿伊勢丹と東京ミッドタウンにも店舗があります)。


エレディア
パッションやショウガの香りが潜む「エレディア」(650円)。
ショーケースの中には、惚れ惚れするほどのルックスを備えたケークがずらり。値段設定は高めですが、1つ1つがパリ同様のサイズであることを考えると、当然の値付けといえますね。


ドーム・抹茶・あずき
「一幸庵」のつぶ餡を使った「ドーム・抹茶・あずき」(750円)。
ケークは、どれも理屈ぬきに美味。しっかりとした芯を備えた、正真正銘のフランス菓子です。洋菓子の基本ともいえるクレーム・パティシエールを舐めれば、そのレヴェルの高さは一目瞭然。まずは、それが最もよくわかる「シュー ア ラ クレーム」(400円)を食べてみるといいでしょう。

    

まずはこれ!

「シュー ア ラ クレーム」のパータ・シューはしっかりと焼き込んだタイプです。最初に感じる適度な歯応えとしなやかなコシによって、その存在感がしっかりと焼きつけられたかと思えば、その直後には一転して、ふわっとした軽さが浮上。ストレートな粉の旨み(強烈なものではなく、しみじみとした旨み)を口いっぱいに広げてくれます。また、蓋の部分には軽くパート・シュクレ(ほんのり甘いビスケット生地)を被せて焼き上げてあるので、そのサクッとした食感が、生地の存在感を高めるための補佐的役割をさり気なく演じてくれています。

中にたっぷりと詰められている艶のあるクレーム・パティシエールは、まずその香りに圧倒されます。口に含むと、ほぼ同時に心をくすぐるたまごとヴァニラの香りがぷわ~っ。脳に直接訴えかける、といってもいいくらい、一瞬にして魅了されてしまいます。その風味を追いかけてくるのが、芯のある甘みとコク、そしてしっかりと炊き込んでいるからこそ実感できる粉の風味&旨みです。特に粉の風味と旨みには圧巻! 舌にネットリとまとわりつくその粘りの強さを目の当たりにすれば、誰もが納得できるはず。クレームだけ舐めても旨みを感じられる、こんなクレームは極めて稀ですね。

この両者が口の中で渾然となると、香りにズキュン! 旨みにズキュン! その存在感にズキュン! もうたまらないったりゃありゃしません。生地は濃厚なクレームをしっかりと受け止める、というか適度に吸収し、極上の口溶け感を生み出します。そして同時に、両者に潜む異なる旨みが複雑に交錯することで、より豊かな音色が奏でられるわけです。


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