結婚して大人になった時代から、大人にならないと結婚しない時代へ
彼女は彼のプロポーズをそのまま受け止めなかったのだ。Bを知り抜いている彼女は、「彼は突発的に結婚もいいなと思ったものの、心の底ではまだ落ちつけないし、落ちつく気もないだろう」と悟っていたのだ。「プロポーズしたからといって、すぐに結婚に飛びついてくるような女性には、ちょっと冷めるってことがわかってるんだと思う。実際、オレって結婚したら変わるタイプだと思うしね。その気の強さと、“オレ扱い”の巧さに惚れ直した」。とりあえず、結婚は授かるまで延期したのだという。
何だか、めんどくさい話だけど、ある意味、世代と時代を表している話だなと。結局、私たちは義務感だけでは結婚できない、大人になりきれないワガママな現代っ子なのだ。
結婚には社会的にではなく、自分個人にとってどんなメリットがあるのか、そもそも自分は何が欲しいのか――わからないうちは、腹が括れない。恋人がいても結婚できないのかもしれない。