友人A子(32歳)の場合
ある夜。友人のA子(32歳)に呼び出された。腐れ縁恋愛の始末に悩み抜いてのことだ。A子は、合コンで知り合った7年来の彼がいる。彼女は有名企業のキャリアガールではあるものの、お嬢さま育ちで決してキャリア志向じゃない。いわゆる“お嫁さん”が似合うタイプの美女だ。一方、彼はクリエイターで根無し草体質(転職を繰り返した末に、休職中)。周囲から見れば、「なぜ、この2人が!」という感じのカップルだ。
出会った頃、彼が彼女にぞっこんで押されて押されて付き合いはじめたものの、まったく大切に扱ってくれない。平気で1カ月連絡がなかったり、30代に突入して結婚願望が増していく彼女を見ても、彼は「まったく、結婚したくない」ときっぱりいう。さらには、彼女の親も彼との交際に大反対……と問題だらけ。
さまざまな悪条件や疑問を抱え、「ホントにこの人でいいんだろうか?」と思いつつも、おっとりしている彼女は、「ま、いいか!」で付き合いつづけてきた。
「ひとりになるのもイヤだし、30過ぎて新たな恋愛なんて無理そうだし、誰と付き合っても100%の満足感なんてないはずだし……」と彼ヘの不満の数だけ、自分への言い訳を増やしていた。
し・か・し!
虚しさや疑問を心の底に隠して溜めつづけた彼女は、ある日、その負の貯金が満期になったのか、大爆発した。結婚したいのにできない、大好きな親に反対されている、好きといいつつ変わろうとしてくれない……さまざまな不満が募って、腐り、果てに腐臭に耐えきれなくなったのだ。普段は、穏やかな彼女はキレまくり、彼を罵倒しまくり、それでも「いまさら別れられない……」と大泣きしていた。
彼についての怒りというよりも、この恋愛の問題点や自分の本音から目を背けてムダにしてしまった、“7年間の重さ”を感じて泣いていたのだ。
別れることが100%正解とは限らないけれど、別れるべき時に別れないと失ってしまうものはあまりにも多すぎる。
別れるか、別れないか、正しい選択をするにはどうしたらいいのだろう?
次のページでは、選択法をお伝えします。