自分が思う人だけではなく、ゆっくりと自分を思ってくれる人のことも大切にする。主人公はぐちゃんの思いは、控えめだけど、いつも自家発電だからこそ、ピュアで魅力的だ。 |
ゆっくり人を好きになるよろこび
前出の『ハチミツとクローバー』の中で、究極のオトナの片思いを描いているマンガ家、羽海野チカさんに「どうして片思いを描くのか?」と聞いたことがある。「とにかく恋がしたいのか、好きでもないのに付き合う人たちがすごく多い気がする。付き合いたいから好きになるのではなく、好きになった人だから付き合いたいというほうが楽しいし、もっと、ゆっくりゆっくり人を好きになることがあってもいいんじゃないかなと思って……」
主人公のはぐちゃんみたいにピュアで力強い言葉に、片思いで自家中毒を起こしていた高校時代、現実の恋愛に飛び込んで打ちのめされては何度も立ち上がった矢吹ジョーみたいな20代を思い出しながらキュンとした。
そもそも付き合っていようと、付き合っていまいと、片思い状態の恋愛は多いもの。
本当は、そう簡単に人は人を好きにならない。直感で落ちる恋も、即物的な恋愛もある。けれど、それはパッションが動いているだけで、本質的なところでは、人は誰かをゆっくりしか好きになれないし、互いに深くはつながれないのだと思う。恋の極意は、急がば回れ。付き合うという形だけがのさばっていて、中身の空っぽの恋をしても虚しいしね。そう考えると、ゆっくりゆっくり人を好きになってもいいし、片思いの敬虔さこそ、恋の基礎体力なのかも。そんな恋の本質を無意識下で感じ取っているからこそ、いい大人も片思いに身を焦がすし、その状態を楽しんでいる。
ビバ片思い! 大人だってロマンティックに夢見たほうが絶対楽しい。
とはいえ、万年片思いじゃつまらないし、単に夢見るだけじゃ、大人の女の名がすたる。実際、私の周りでも、「大人の片思い」の大逆転劇がいくつか起こりつつあるし! 次回は、現実的な「大人の片思い」の実らせ方について検証します。
■本日の恋の栄養素
『ハチミツとクローバー』
大の大人にも「人を好きになるっていいなぁ」とおもわせる純粋さと説得力を兼ね備えた作品。その不器用さに笑いながらも、泣ける。そして、さらにトキメキたい人は映画も必見!役者がとにかくハマッてます。
【関連リンク】
『ハチミツとクローバー』の映画サイト
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年齢と恋愛のチャンスは比例する●前編
年齢と恋愛のチャンスは比例する●後編