ロース肉に負けない、ヒレ肉の美味しさ!

JR山手線「鶯谷駅」北口から、言問通りを越えて尾竹橋通りを町屋方向へ10メートルほど進むと、右手に「根岸小学校」。その角を右折し、 15 メートルほど行った先に、こぢんまりと佇む下町の洋食屋「グリル ビクトリヤ」が現れる。
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「ヒレしょうが焼き」コーヒー付き1100円(ランチ料金)。たっぷりのサラダの上に絶品のヒレ、付け合わせはポテトサラダ。

創業は昭和 27 年。2代目主人大原俊一氏と奥さん、従業員の3人で切り盛りする店内は、カウンター4席、テーブル 18 席ほどで、昼時はいつも満杯だ。 23 歳の頃、僕はこの界隈に住んでいたことがある。当時「ビクトリヤ」を認識していたものの、若輩者はいつも金がなく、小銭があったとしてもほとんど酒に消えていた。数年前ふとこの界隈が懐かしくなって、ぶらぶらと徘徊していて、
「あれ? この洋食屋さん記憶にあるよな……」
と、ふらっと入店したのだ。
数日かけて一通りメニューをいただいたが、どれも文句なしの味わい。特に驚いたのが「ヒレ肉の生姜焼き」。当然ロースの味わいも申し分ないけど、ヒレのしょうが焼きは、洋食屋でほとんど見かけない代物ではないだろうか。脂身のほとんどないヒレ肉というものは、肉自体は柔らかいのだが、どこか淡白で面白みに欠ける食材だと思っていた。でもここの「ヒレしょうが焼き」をいただいた時、そんな既成概念は吹っ飛んでしまった。