カフェ/神田神保町・馬喰町・新宿・飯田橋のカフェ

OnEdrop cafe(ワンドロップカフェ)…神田(3ページ目)

小伝馬町界隈の古ビルの一階、自動車整備工場だった空間に、広々としたカフェが誕生しました。殺風景な街角にあたたかな光。オーナーの故郷・新潟名物の「ジャンボ!油揚げ」はぜひお試しを。

川口 葉子

川口 葉子

カフェ ガイド

ライター、喫茶写真家。著書に『東京カフェ散歩 観光と日常』『京都カフェ散歩 喫茶都市をめぐる』(祥伝社)、『街角にパンとコーヒー』『東京の喫茶店 琥珀色のしずく77滴』(実業之日本社)他多数。雑誌、Web等でカフェやコーヒー特集の監修、記事執筆多数。Webサイト『東京カフェマニア』主宰。

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イベントで世界をひろげる

鹿児島銘菓「ふくれ」をベースに考案されたスイーツ「FUKU+RE」(500円)
オフィスビルが建ち並ぶこの界隈は、土曜日の夕方ともなると人影はまばら。そこにぽつんとカフェが出現しているのは素敵な眺めです。無人の街角にあたたかな体温をもたらし、人々を引き寄せる存在。

飲食業は全く初めてという小松さん。もちろん周囲の人々には無謀な挑戦だと言われたそうですが、私は「大人がつくるカフェ」という安心と手応えを感じました。
気負わずに、でも、たしかな志を持って街角に生まれたOnE drop cafeという一滴。この街角から小さな楽しい波紋がひろがっていきそうです。
one drop cafeの店内写真
書架にはスタッフが持ち寄った本が並びます。一冊の本が古いアイロンを重しにしてひろげてあり、視線を落としたページには「なにをするにせよ、いのちの源に近づけ」。どきりしとしたこの本は、ハワイの言葉を集めた日めくりのようなもの。

東京イーストの可能性

このエリアを選んで出店した理由について、小松さんはこんなふうに語ります。
「門前仲町に住んでみたら、古い東京が残っていて魅力的だったんです。東京の東側には現代美術を扱うギャラリーも増え、コミュニティが生まれはじめています。そんな場所とつながりを持ちながらカフェができたら面白いと思ったのです。東京の他のエリアなら、もっと作りこんだお店が似合いそうでしょう? こんなふうにゆったりと、ゆるく作れるのはこの地域ならでは」
one drop cafeの店内写真
スタッフと会話を楽しみたいならカウンター席へ、ほっといてほしければソファ席へ…そんな使い分けも可能です。

OnE drop cafeでは音楽ライブやアート系イベント、写真家やイラストレーターの個展など、さまざまな出会いを生む催しが開かれています。

「本当にたまたま重なってしまったようで…」と小松さんは笑いますが、私がOnE drop cafeを訪れた夕方は二度とも、2時間後からイベント開始予定。ゆったりしていた店内は、開始時刻が近づくにつれ人々が集まって、いつのまにか満席に!

DJブース前に司会者の椅子が運ばれ、壁にプロジェクターの投影が始まります。店内がいっきに小さな期待に満ちた興奮に包まれるのを見ながら、カフェをあとにしました。

▼ワンドロップカフェのメニューとショップデータはこちら

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