カフェ/三軒茶屋・駒沢・下北沢・荻窪のカフェ

伝説のグルーピーの名を冠したエスプレッソ(3ページ目)

下北沢にニューヨークの最新エスプレッソ文化を伝えるBEAR POND Espresso。2010年最初の新作ドリンクは「ミス・パメラ」。寒い朝は、この痛快な一杯で元気になりましょう。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

Bead Pond Espressoの写真
おいしかった、田中さんに質問したら疑問が氷解して嬉しかった…そんな時はこのガラス瓶にチップを!

粋なチップで、気持ちを伝える

ヨーロッパの有名カフェのギャルソンの立ち居ふるまいが人を魅了するのは、チップ制が根付いているからだという話をよく聞きますが、「残念ながら、日本にチップ文化はなじまないんだよね…」という嘆息も同様にひんぱんに耳にしますね。

本来、チップはお店やギャルソンを評価する良いツール。素敵だと思ったらチップをはずむことで、相手が提供するものにどれくらい満足したかをスマートに伝えられます。それは提供者が技術を磨くための大きなモチベーションともなりえるもの。

Bead Pond Espressoは果敢にもこのチップ制にチャレンジ。…と言っても、硬貨の入った小さなガラス瓶がカウンターにそっと置かれているだけなのですが。

「日本の旅館でも、心付けを渡すという習慣があるじゃない」と田中さん。Bear Pondにおけるチップは、金額の問題ではないのだそう。

「たとえば、今日のラテアートは良かったな、と思ったら1円でも10円でもこの瓶に入れてくれたらいい。もしそんな文化がひろがったら、新人バリスタがどれくらい勉強になるか。お客さんに『まだまだ出来が悪いからチップは0円』、『おまえ、腕を上げたな。今日は300円はずむよ』なんて言われたら励みになるでしょう? 第一、そんなふうに気持ちを伝えるって、粋じゃないですか」

自分が楽しむと同時に、お店やそこで働く人を育てようという懐の深さを持つ素敵な大人が多ければ、チップ文化もひろまるかもしれませんね。

網の上のブルース・ウェーバー

Bead Pond Espressoの写真
ブルース・ウェーバーの『The Chop Suey Club』は、美貌のレスリング選手をモデルに撮影した写真集。絶版。
Bear Pond Espressoのもうひとつの新しいトピックといえば、“網棚ギャラリー”の誕生。ざっくり塗った壁の高いところに、これまたざっくりと取り付けられた網棚に写真集が1冊、ざっくりとのっているだけなのですが、これは田中さんの私物で、巨匠ブルース・ウェーバーの写真集『The Chop Suey Club』。注文を待つあいだにでも、天井を見上げるようにあおむけになって表紙をご鑑賞ください。

そういえば、ブルース・ウェーバーの代表作には『BEAR POND』と題した一冊もありましたっけ!
そんなトピックも含めて、街の空気を駆け抜けるようなスピード感、そして驚嘆すべき緻密で高度な技術が生みだす一杯が、まことに粋なお店だなと思うのです。

shop data

Bear Pond Espresso(ベアーポンド・エスプレッソ)
【住所】 東京都世田谷区北沢2-36-12
【TEL】 03-5454-2486
【OPEN】 9:00~18:30 
【CLOSE】 火曜日
【MAP】 Yahoo!地図情報

※Bear Pond Espressoの詳しいご紹介記事はこちらをどうぞ。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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