フェアトレードコーヒーの理想形
2008年7月、「じつは、最初はカフェを開こうとは考えていなかった」オーナーの小さな美しいカフェがオープンしました。
「フェアトレード商品を扱う仕事を始めるつもりで物件を探しているとき、この建物に出会いました。その大家さんが『カフェをやってくれたら嬉しいな』とすすめてくれたんです」と笑うのがオーナーの島田憲吾さん。決意してからの努力とたゆまぬ試行錯誤の積み重ねで、じつに魅力的なカフェができあがりました。
「まだまだ模索中」と謙遜する島田さんですが、私はここshimaで、フェアトレードコーヒーのひとつの理想的なかたちに出会ったのです。
このカフェには、とくに声高にフェアトレードを主張するものはありません。“持続可能でフェアな社会”に関する意識の高い人は増えているけれど、無関心な人も少なからずいるもの。どのような態度をとるかは各人の自由意思であり、強要すべきものではありません。
shimaでは「心地よい空間でコーヒーを飲んだらおいしかった→それについてもう少し知りたいと思った→フェアトレードというキーワードに出会う」という自然な導線が作られています。お店の価値観を無理に押しつけない、ゆるやかな呈示のスタイルが素敵ですよね。