壁に直接、テントウムシが描かれています。
割った額が面白い表情。
「お客さまのご要望には可能な限りお応えしていますので、気軽におっしゃっていただけたら嬉しいですね」と津田シェフ。
体調を崩したお客さまが「ここの料理だったら食べられると思って来ました」と訪れると、パンとスープだけの注文を受けつけたり、ヴェジタリアンのお客さまのリクエストに応じたり、その対応は柔軟で臨機応変。
女性客が離乳期の子どものためにパンを細かくちぎってはスープに浸している姿を見て、「それでしたら厨房でも同じことができますよ」と、急遽、離乳食を作ってサーブしたこともあるそう。まともに自分の食事をしている余裕のなかったお母さんには、さぞ喜ばれたことでしょう。
乳製品アレルギー、カフェインが苦手など、常連客の食事上の注意をスタッフがよく覚えていて、たとえばカフェインを摂ることのできないお客さまには、素材にコーヒーやエスプレッソを用いたデザートは出さないようにするなど、きめ細かなサービスがおこなわれています。
ヘルシーな食事には関心の薄いおじさんたちも、「ここの野菜はおいしんだよ」と、ひとりでひとつずつ大きなサラダボウルを注文したりする光景が展開され、麹町カフェは街の人々と季節の新鮮な野菜をつなぐ大きな役割を果たしているようです。
「東京で暮らしているとなかなか自然に触れることができないけれど、農家から届く野菜によって、四季の移り変わりを感じることができます。今年ももうじきあの野菜の季節が来る、と待ち受ける楽しみがあるんですよ」と津田シェフ。
2009年6月には、キッチンで焼き上げるパン各種の人気に応えて、近くの九段南にパン屋さんFACTORY(ファクトリー)をオープン。麹町キッチンのパンもここで焼かれるようになりました。
カフェには、その街にふさわしい顔があるものです。麹町の快い活気にふさわしい麹町カフェは、これからもオフィス街の日常を支えるカフェとして街の人々に愛用されていくことでしょう。