世界でひとつのカフェは、緑に包まれて
渋谷公園通りと渋谷消防署にはさまれた一帯は、表通りの喧噪が薄らぎ、ファッションブランドが点在する落ち着いたエリア。イギリスのブランド、マーガレット・ハウエルのフラッグシップショップもこの一角に扉を開いています。
各国に展開されるマーガレット・ハウエルのショップの中でも、東京・渋谷のこのお店は唯一のカフェを併設。オープンテラスのテーブルには並木の木漏れ日が風に揺れて、このうえなく気持ちのいい時間が流れています。
2009年3月に店内がリニューアル。ショップ、カフェともにイギリスの建築家ウィリアム・ラッセルがデザインを手がけ、マーガレット・ハウエルの世界をトータルに楽しむことができます。
モダンブリティッシュ・スタイルのお手本として
ロンドンにある自宅と、サフォークの海辺のセカンドハウスの写真を集めた本『マーガレット・ハウエルの「家」』が出版され、そのライフスタイルが注目を集めるマーガレット・ハウエル。
神南のフラッグシップショップには彼女がセレクトした家具や食器が集められ、モダンブリティッシュの魅力を伝えてくれます
ERCOL(アーコール)社のウィンザーチェアは、50年代に作られたもの。マーガレット・ハウエルのセカンドハウスにも同じデザインの椅子が置かれています。 アーコールは1920年代に設立されたイギリスの家具メーカー。創業者ルシアン・アーコラーニは蒸気で固い木を曲げる「曲げ木」の大量生産技術を確立し、1947年に、のちにイギリスの椅子のスタンダードとなるウィンザー・シリーズを発表しました。 |
マーガレット・ハウエルでは、アーコールのプロダクトの中でも、とくにシンプルでモダンなデザインで知られる50~60年代の椅子をリイシュー(復刻)して販売しています。
長年にわたりイギリスの戦後のモダニストデザイナーたちに敬意を抱いてきたという彼女。数十年前にはあたりまえに見えた家具や食器をあらためて見直し、「身近な大量生産の過程向けデザインが、いまや時を越えクラシックになった」と述べています。(MARGARET HOWELL 2003)