中目黒ラウンジの写真

友人のグラフィックデザイナーがデザインしたというショップカードの素敵さにも目をみはりましたが、メニューのデザインもカフェらしいセンスと実用性に溢れています。

たとえばワインリスト。そこに長々と解説の言葉が書かれていても、味をイメージするのは難しいもの。本当に知りたいのはそのワインがどれくらい重いか軽いか、そしてどれくらい辛口か甘口かだ!というエビサワさんの姿勢を反映して、ワインリストにはひと目でワインの特徴がつかめる優秀なチャートつき。これなら好みのゾーンを外す心配がありませんね。

生地から手作りするピザ5種

下の写真は生地からキッチンで手作りするピザ。5種類の中から「レタスと生ハムのピザ」(1000円・写真下)をセレクトしてみました。生ハムの自然な塩気がほどよく、赤ワインと最高の相性です。小ぶりなので一人で注文しても持て余すことがありません。

最初は中目黒のお客さまのために、と思って店づくりをスタートしたのに、いつのまにか自分の好きなものばかり置いていたと笑うエビサワさん。メニューのセレクションも例外ではなく、8種類のパスタからオムライス、ハヤシライスといったごはんもの、ランチの食堂っぽい定食まで、自分だったらこんなとき、これを食べたいという発想による品揃えです。

中目黒ラウンジの写真

有名プロデューサー2人、店づくりの2つのスタイル

カフェづくりのスタイルについて、エビサワさんは有名プロデューサー2人の方法を挙げて「自分はその中間」と位置づけます。
プロデューサーY氏はとにかく自分が良いと信じる店を提案するスタイル。「Y氏の根底にはロック魂があるんですよね(笑)」とエビサワさん。もうひとりのプロデューサーI氏は「街が必要としている店」をつくるスタイルを貫き、自分の嗜好は徹底して排除しています。

エビサワさんのスタイルは2人の中間にあたるようです。中目黒の人々に必要とされる店を、というポイントから出発して、気がついたら自分の好きな店をつくっていたという姿勢は、2000年の東京カフェブームの潮流を作った幾つかのカフェで、オーナーが語った原点「街の中に行きたい店がないから、自分でつくった」に回帰していくのかもしれません。
エビサワさんと話しているといつも、東京カフェのはじまりの時期にあった熱気と、街に気持ちの良い場所が増えていくというわくわく感を思い出すのです。

▼「カフェとは、自分にとって“少年”のようなもの