お話を聞きながら、私は茶の湯のおもてなしの心を連想していました。一期一会の精神を尊んだ千利休は、茶席に活ける花をみずから足を運んで野山の自然から摘みとり、飾りたてずに「野にあるように」活けることを教えました。
自分の手で、土からいただいてきたばかりの季節の恵みを、みずみずしいままお客さまにさしだすというおもてなし。
本日の野菜、果実 薩摩芋、ルッコラ カリフラワー、オレンジカリフラワー 人参、隠元、モロッコ隠元 四角豆、蜜柑、里芋 柿、隼人瓜 フェイジョア、茄子 お米は魚沼産「食楽豊」 (提供:南雲 昇さん) |
「量が少なくてごめんなさい。野菜を集めて回るのがこれで精いっぱいだったんです」
明峯さんはそう頭を下げましたが、お皿の上には色彩豊かな野菜たちがたっぷりと盛られています。しゃきっとした歯ざわりも快い、エネルギーに溢れた野菜を口に運ぶ人々の顔はみな嬉しそうにゆるんで、土の力と、その上で両足を踏みしめて生きようとするひとの存在を再発見する満ち足りたひとときになりました。
そして小野哲平さんのまっすぐに力が伝わってくるうつわが、野菜とひとを支える大地のようにして、私たちの目の前にありました。
【所在地】 東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル202
【TEL】 03-6413-8049
【OPEN】 11:00~19:00
【CLOSE】 日曜日
「セツローものつくり展」のお知らせ
祥見知生さんから、2009年3月~4月に六本木の国立新美術館B1Fのギャラリーでおこなわれる「セツローものつくり展」のお知らせが届きました。 今年3月に80歳を迎える小野セツローさんは、コーヒーをこよなく愛する素敵なものつくりびと。作品はもちろんのこと、あたたかくチャーミングなお人柄にもファンの多い作家さんです。ぜひ足をお運びください。詳細はこちら。 |