木のヴァリエーション美しさ、Koizumi Studioのデザイン
長いカウンター席と、4人がけのテーブル席ひとつで構成されているトコロカフェ。端正で美しいデザインを手がけたのは小泉誠さんのコイズミスタジオです。店内にはさまざまな木の素材が組み合わされ、白木の色から深い茶色まで表情に富んだ階調が生まれています。シンプルなのに見飽きることのない、懐の深い味わい。
小泉さんとの出会いも、トコロカフェ誕生に関わったさまざまな人々との出会いも、上村さんのひらめきと熱意と、それを誠実に人に伝えようとする気持ち、お店で人をおもてなししたいという心からの気持ちが生んだものなのだなということが、お話をうかがっているとよくわかります。
なにしろ、上村さんは取材にあたっておそらく1年ぶりにお店を訪れた私を、ちゃんと記憶していらしたのです。4人で訪れてテーブル席に座っていたことを言い当てられて、すっかり目を丸くしてしまいました。私は取材時以外はお店のかたと長話をすることはなく、名乗ることも決してしないので、初めてトコロカフェを訪れたときにもほんのひとこと、ふたことしか上村さんと会話を交わしていないはずなのですが。
聞けば、お客さまのことはよく覚えていて、特にプロダクトのお買いものをした人は、言葉を交わす場面が多いので覚えていますとのこと。そういえば私は店内にディスプレイされていたこいずみ道具店の小さな木の定規があまりにもチャーミングなので、帰りがけにひとつ購入したのでした。