カフェ/京都のカフェ

エレファントファクトリーコーヒー …京都(5ページ目)

村上春樹の『象工場のハッピーエンド』に由来する店名。最近ちらほら増え始めた、個人オーナーが営むストイックな珈琲専門カフェの中でも3本の指に入る、美しい1軒をご紹介します。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

カフェの写真

見せていただいた写真には、なにげない窓辺が写っていました。洋雑誌の見開きページ。どこの国ともしれない室内の、みずみずしい緑に囲まれた窓辺に小さな丸椅子がひとつ。それだけです。

「この窓のまわりはどんなふうになっているんだろう、と想像していったのです」
と畑さん。私はカフェの奥に立ち、写真と、目の前にある窓辺を見比べてみました。狭い路地を挟んだ向かい側の家に咲く木蓮の花が、恰好の借景になっています。

風景の断片からインスピレーションを得て、空間全体を構築していくセンス。それは畑さんに与えられた神さまのギフトなのかもしれません。

カフェの写真

「この店、なんかいいですね、と言ってくださるお客さまが一番嬉しいですね」
と畑さんは言います。
お店の魅力を幾つかの要素に分解して、椅子のデザインがいい、座り心地がいい、トイレがいい、メニューの○○がいい……と明確にしたがる向きもあるけれど、畑さんにとっては「なんか、いい」というのが最高の言葉なのだそうです。

それは、なんとも心惹かれるたたずまいの人に出会ったとき、その魅力を明確に言葉にすることができなくて、「なんか、いい」としか表現できないのと似ているようにも思えます。

▼常連客はひとりで訪れるお客さまが大半

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