京都の喫茶文化×北海道コーヒーの味
エレファント・ファクトリー・コーヒーでは、いかにも昔ながらの京都らしいコーヒーとはまた趣の違う、オーナー自身が本当においしいと納得したコーヒー豆を使った、丁寧なハンドドリップによる一杯が供されます。
「自分が行きたい店を作ったのです」
という京都出身のオーナー、畑啓人さん。男性がひとりで本を1冊持って、ふらりと出かけられるおいしい珈琲屋が身近にないからと、エレファント・ファクトリー・コーヒーを開いたのは2007年9月のこと。
京都の老舗の名店といえばイノダコーヒが思い浮かびますが、畑さんが求めていたのは、最初からお砂糖とミルクの入ったまろやかな伝統の味ではなく、凛とした苦みの効いた、豊かなコクを持つコーヒー。
日本各地の珈琲店の味を飲みくらべた末にたどりついたのは、北海道の力強い味。北海道美幌町で小さな自家焙煎店を営んでいる福井さんが焼くコーヒー豆でした。
福井さんの力強い豆を使って、苦みが強く酸味の少ない畑さんの理想のコーヒーを抽出するために、ドリッパーはコーノ式円錐形のひとつ穴ドリッパーの改良型、ハリオ式が選ばれていました。
(私の自宅でも長らくコーノ式を使っていたのですが、たまにドリッパーの側面にペーパーが張りつくことがあるのが気になっていました。ハリオ型はこれを改良し、側面にらせん形の凹凸がつけられているため、張りつきにくくなっています)