カフェのオーナー

朝10時にオープンする理由

「下北沢は若い人の町だと思われがちですが、古くから住んでいらっしゃる方も多く、年齢層は幅広いんですよ」

そうおっしゃる藤枝絵理さんの下北沢生活は、モルディブ勤務時代を含めて8年目。かつて「午前中に下北沢に来たら、コーヒーを飲みながら一息入れられるカフェが1軒も開いてなくて困ったことがあります」という経験から、お店は朝10時には扉を開いています。

カフェのテーブル土日の夕方になると下北沢に遊びに来た若い人々で満席になる店内も、朝の時間帯はひっそりと静まり、白い陽射しと清冽な空気のなかにコーヒーの香りが漂っています。
この時間、絵理さんは11時から始まるランチの仕込みをして過ごすのだそう。

「たとえ満席で忙しいときでも、コーヒーをドリップしている時間だけは、大切な自分の時間だと思えるんです。コーヒーが一滴ずつ落ちていくのに集中しているあいだは、静かな心でいられます」

コーヒーを上手に抽出する方法を尋ねると、「コツは、気持ちです」
映画「かもめ食堂」のコーヒーがおいしくなるおまじない「コピ・ルアック」のように、心を落ちつけ、おいしくなれと念じて淹れるのだそうです。