歳月を経てページのふちが変色したノートには、たくさんのお菓子やお料理のレシピが手書きで記されていました。今ではインターネットで簡単に検索できるお料理のレシピも、かつて、異国の地ではこのようにひとつひとつ、ノートに手書きして記録したのですね。
お母さんのレシピをもとにお店で出しているのはバナナケーキ。
「40年前のブラジルのお菓子ですから、そのまま作ってみたらちょっと甘過ぎました。私たちの口に合うようお砂糖の量を減らしてあります」
貴重なブラジル流のレシピをぜひ私も教わりたくなり、近々またコッポ・ド・ヂーアにおうかがいして、「ブラジル式焼きプリン」の作り方を伝授していただくことにしました。後日ここでもお伝えしますね。
杉並区お墨つきの健康料理も
黒板のメニューには、ムケッカなどのブラジル郷土料理も登場しています。ランチタイムの「気まぐれプレート」(850円)は30品目がおいしく採れてしまう優秀メニュー。ある日の例は、海老と貝柱のムケッカ+じゃがいもとビーツ・きゅうりのマリネ+たっぷり野菜とお豆のスープ+5品目サラダ。自宅のランチにこれだけの食材を揃えるのは大変ですよね。また、人気の「玄米タコライス」(850円)は野菜豊富、お肉のタンパク質もしっかり楽しめて、スープ付きで590カロリーと嬉しい一皿。
「保健所の人が実際にカロリーを計測しに来て、杉並区のヘルシーメニューに推奨してくれました(笑)」
コーヒー豆はマンモスコーヒーから
コーノ式のドリッパーでていねいにハンドドリップされるコーヒーには、自家焙煎珈琲店MAMMOTH COFFEE(マンモスコーヒー)の豆を使用。「本日のコーヒー」(450円~)として良質のストレートコーヒーが何種類か楽しめます。「私がドリップすることでマンモスコーヒーさんの豆のおいしさを損なってしまっては申しわけないので、一生懸命に淹れています」 という言葉の真剣さは、客席にいて本を読んでいてもしっかり伝わってきました。キッチンのカウンターでドリップ作業が始まると、コーヒーのたまらなく良い匂いがふわりとお店じゅうにひろがったのです。
ブラジルで広く親しまれているコーヒー「カフェジーニョ」(350円)は小さなカップにコーヒーとたっぷりのお砂糖を入れて楽しむスタイル。カフェジーニョ用の豆はまた別の小売店さんから仕入れ、エスプレッソマシンで抽出しています。