露地を歩んで店内へ
お店は不忍通りに面していますが、エントランスはあえて大通りには設けず、もともと存在していた細い露地を歩いて引き戸を開けるという演出に。
茶室に向かう露地が俗世間のわずらわしさから離れ、心をしずめるための瞑想通路であるように、このカフェへの細い露地も静かな空間へ一歩ずつ入っていくための助走ルートなのです。
引き戸を開けた右手には美しく照らされた坪庭。ハイノキやホソバヒイラギ、苔玉など、店内にみずみずしい趣を添える植物を手がけたのは、自由が丘「品品(しなじな)」の植栽コーディネーター小林氏。わずかな空間にも、どこか宇宙にまで通じるような世界観を表現してしまう盆栽は、見れば見るほど不思議なものですね。
階段の関守石
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店内は右手エリアがテーブル席、通りに面した左手エリアがウォールナット製のカウンター席となっており、古民家でつかわれていた欄間を縦方向に並べたスクリーン(写真下左)が間仕切りとして活躍しています。
ひとりで訪れるなら、ぜひ左手のカウンター席へどうぞ。壁一面に用いられた古材の表情が見事です。