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ウェグナーの椅子とドーナツ・ドリッパー(4ページ目)

高崎哲学堂で「ウェグナーに座ろう」が開催中。話題の「ドーナツ・ドリッパー」の作者、中林さんが点てるコーヒーを飲むこともできます。ウェグナーの椅子に座って極上の一杯を楽しむために出かけてみませんか?

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

すべてのはじまりは小さなカフェ、LittleLuckCoffeeから

ドーナツ・ドリッパーの考案者、中林孝之さんは2001年の夏から3年半ほどのあいだ、高崎で小さなカフェ「LittleLuckCoffee(リトルラックコーヒー)」を営んでいました。
当時そのカフェに、おいしいコーヒーを求めて集まっていたのが山口さんをはじめとする現・高崎デザイナーズアクトの面々。

「リトルラックコーヒーに行けば、だれかに会えるという感じでね。このイベントは、リトルラックコーヒーが存在しなければ生まれなかったのです」

高崎哲学堂の一角、風合い豊かな古いタイルの残る魅力的なキッチンから、中林さんの淹れるふくよかなコーヒーの香りが庭や廊下に漂っていきます。この場所は、1ヶ月だけ復活したリトルラックコーヒーでもあるのです。

「幸せとは、小さなラッキーの集まり」

LittleLuckCoffee(リトルラックコーヒー)の店名の由来を、中林さんはこんなふうに教えてくれました。

「ぼくは、幸せとは大げさなものではなく、日常の小さな幸運の積み重ねだと思っています。道を曲がったらたまたまコーヒー屋をみつけて、コーヒーを飲んだらおいしかった。そんなときは思わず、ラッキー!と叫びたくなりますよね?(笑) そんななにげないラッキーに幾つも出会える人生こそ、幸せな人生なのではないかと思うんです」

小さいけれど確かな幸せ=「小確幸」と同じだと、村上春樹の読者なら大きく三度うなずきたくなりますね。私の最初の本『東京カフェマニア』のサブタイトルにつけた「A Small, Good Thing.」はまさにその小確幸を意味していました。

「そういうラッキーを提供できたら、と思って店の名前にしました」

小学生の頃からコーヒーを飲んでいたという中林さん。コーヒー好きのご両親が、きちんとおいしいコーヒーをドリップしていたのですって。
「兄弟3人でコーヒーミルを回して、がりがりとコーヒー豆を挽いていた記憶があります」

▼ドーナツ・ドリッパーの誕生

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