店名は60年代のアメリカンポップスから
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RAIN ON THE ROOFと書かれたガラスの引き戸を開けると、木の階段が2階へと続いています。階段の一角には、さりげなくキャンドルと小さな花。
ゆったりサイズの黒いソファが並ぶ店内の天井は高く、梁がむきだしになっています。ほどよい音量で流れる古いアメリカンポップスがよく似合う空間。女性店長の中島さんが教えてくれました。
「まるで、おじいさんが孫娘に遺した山小屋か納屋みたいだねと、改装する前のこの建物を見て、あるアーティストのかたがおっしゃったのです」
そのアーティストとは、カフェと言葉が両方とも好きなひとなら、彼の本を1冊くらい持っているだろうと思われる有名な男性。美しい店名も彼が名付け親なのだとか。
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You and me and rain on the roof……と歌われるRAIN ON THE ROOF。60年代後半のアメリカで活躍したラヴィン・スプーンフルの音楽は「グッド・タイム・ミュージック」と呼ばれていました。
夏の草原で、跳ねるような夕立に追われて駆け込んだ納屋が、こんな居心地の良いカフェだったら最高ですよね。雨音もいきいきと聞こえることでしょう。