どうしても、バターミルク入りの生地で作りたくて
カフェももちどりのパンケーキは2種類に分けられます。【甘いパンケーキ】各種は生クリームに絶品の自家製・塩バターキャラメルなどを添えたデザート系のパンケーキ(750円・写真右下)、【お食事のパンケーキ】各種は、生地に胚芽粉を使用した甘くないパンケーキで、アボカドと海老のディップ、ツナのタルタルソースなどをつけていただきます。
うっとりするような、ふかふかで軽やかなパンケーキ。頬ばった感触はもっちりして柔らか。その秘密は本場アメリカではおなじみの、生地に織りこむバターミルクにあります。
「日本ではバターミルクは市販されていないのです。あちこちの乳製品会社や牧場に問い合わせてみたのですが、手に入らなくて」
※バターミルク:牛乳からバターを作る過程で、乳脂肪を分離させたあとに残る乳精。
試行錯誤の末に願い通りのふわふわもちもちのパンケーキをお店で焼けることになりましたが、スムーズに焼き上げるその手つきのベースには、2年間、パンケーキ専門店で働いた経験がありました。
「忙しい日は、1日に100枚近くは焼いていたと思います」
ということは、1年でおよそ3万枚、2年で6万枚! けれどもその専門店の味は、関谷さんが理想とするものとは違っていそう。ももちどりの誕生によって、本当に自分が焼きたいパンケーキが実現できたというわけです。
パンケーキの生地は湿度に影響を受けますから、日によって微調整が必要。
「ボウルの中の生地をすくったときの感触で、うまく焼けるかどうかがわかります。だめだと思ったらその生地は捨てて、新しく作り直すことにしています」
大事に作った生地を1枚ずつ焼いていく作業は、お客さまの注文を受けてから。もちろんコーヒーも注文を受けてから豆を挽き、コーノ式のドリッパーでていねいに淹れますので、すぐさまお客さまのテーブルに運ばれるというわけにはいきません。どうぞゆったりした気持ちで、お待ちくださいね。