エスプレッソマシンは真紅のラ・マゾッコ
理想とする一杯を完成させるために、CAFE415ではエスプレッソマシン、コーヒー豆、水にいたるまで手間と時間を惜しまずに吟味してきました。日本各地はもとより、シアトルまで赴いて選んだのはイタリア、ラマゾッコのエスプレッソマシン、札幌の小さな自家焙煎珈琲店「いわい珈琲」の特別ブレンド。ホテルやレストランで使われてきたアメリカのブランド、エバーピュアの浄水器。選び抜いた素材と道具を使いこなすのがバリスタの腕の見せどころ。その日の天候や豆の状態によって豆の挽き方や抽出時間を微妙に調整し、つねに安定した味わいに仕上げるのは、技術と経験が要求される作業です。
この日は、エスプレッソの上にスチームミルク(温めた牛乳)で褐色と白のマーブル模様を描いていくラテアートを目の前で見せていただきました。
カプチーノの上にココアパウダーでさまざまなイラストを描く「デザインカプチーノ」もよく知られていますが、滝口さんは「エスプレッソの香りは抽出したら時間とともに失われてしまうもの。一刻も早くお客さまの前にお出ししたいので、デザインカプチーノには消極的です」と、頑固なバリスタ魂の一面をかいま見せてくれました。
「ちょっとぬるめ」がラテ本来のおいしさ
ミルクの甘み成分ラクトーゼがひき出される適温は65~70℃。飲んだときに少しぬるく感じるのが、じつは一番おいしい、ほんのりした甘さを楽しめるカフェラテです。
CAFE415を訪れたご近所のおばあちゃんが初めてカフェラテをひとくち飲んで「ぬるいね~」と素朴な感想をもらしたそうですが、飛び上がるほど熱いお風呂にがまんして入るのが粋と言われた江戸っ子気質でしょうか?! そのおばあちゃんも今ではすっかり常連客だそうです。