精神に障がいを持つ人も、そうでない人も
共に気持ちよく働ける場所をめざして

カフェが街に生まれてくる理由はなんでしょう。オーナーたちはなぜ、カフェを作るために奮闘するのでしょう。カフェを作った人、あるいは今から作ろうとしている人それぞれの胸に、さまざまな動機が抱かれていることと思います。この小さなカフェが目指しているのは、 カウンターの外にいるお客さまと、カウンターの中にいるスタッフの両方に幸せをもたらすこと。オーナーは次のように話してくれました。

「開店して4ヶ月、経営はほんとうに苦しく、勉強していかなければならないことがたくさんありますが、目指したことにこだわり続けることでしか、このカフェは成長できないんじゃないかなと思っています」
 

野菜カフェにんじんは2005年10月、西武池袋線・石神井公園駅南口から徒歩2分の小路に生まれました。 オープンテラスには青空の眺められるテーブルが設けられ、明るい店内にはベンチシートと、一人で仕事を持ちこむのにも良さそうなカウンター席が並びます。テラスから店内の広いトイレにいたるまでバリアフリー。どのテーブルにも小さな野花が飾られています。

店名の通り、食材の中心となるのは有機栽培で育てたおいしいにんじん。にんじんの豆乳スープやにんじんジュース、野菜のごろごろ入ったカレーと発芽玄米ごはん、にんじんのおにぎりなど、安心できる素材で作られた、健康を気づかうメニューが並びます。もちろん、コーヒーや日本茶などのドリンクも有機無農薬栽培されたもの。

明るい笑顔で立ち働くオーナーの馬場温子(ばば・はるこ)さんは、国立精神・神経センターなどに勤務し、リハビリテーションに携わる作業療法士として30年以上活躍していらした女性。精神に障がいを持つ患者さんの中にも働く意欲のある人々が少なくないことを実感していましたが、雇用してくれる企業はきわめて少ないのが現状。「障がいのある人もそうでない人も共に気持ちよく働ける場所を創りたい」という馬場さんの熱意が出発点となってこのカフェが誕生したのです。お店では現在、そううつ病などの症状があるスタッフも2名いっしょに働いています。
 
▼にんじんの力に注目して