カフェとなったのは母屋。
中庭の井戸には美しい仕掛けがほどこされて。


カフェは落ち着いた気品あるしつらえです。小上がりの壺に生けられた見事な花木。室内の光景を小さくゆらめかせる波ガラス。畳の間に座った人の中庭への視線をさまたげないよう床面を掘り下げた洋間エリア。モダンでシンプルなオリジナル家具。外壁の黒い漆喰。

「漆喰を復元できる職人さんを探すのが大変だったのです」
そう語る小森さんに、なぜこの家をカフェに?と尋ねてみました。

「私は飛騨高山の出身ですが、そこではみんなが一日に一度は喫茶店でコーヒーを楽しむ習慣がありました。誰もが行きつけの<自分の喫茶店>を持っていたのです。私が大好きだった喫茶店は、たぶん30年前の写真と比べても変化していないであろう歴史あるたたずまいのお店。それでいて、ちっとも古くさくないのです。喫茶店やカフェは生活の中で心を和ませる場所。この古民家の空気を今に活かすには、カフェこそふさわしいと思いました」

白い伊勢砂利を敷き詰めた中庭には、井戸が美しいオブジェとして残されていました。ガラスに覆われた井戸に人が近づくと、内部に仕込まれた照明が淡く点灯し、またすうっと消えていきます。
中庭をのぞむ縁台は喫煙席。屋外が気持ちのいい季節には、この縁台が一番の人気になるといいます。

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