カフェ/関東のカフェ

千葉県佐原市 古民家再生【カフェしえと】(2ページ目)

近年、歳月を重ねてきた貴重な古民家をカフェとして再生する動きが全国的に広がっています。小江戸と呼ばれる由緒ある町・佐原で、完成度の高い美しい古民家カフェに出会いました。

川口 葉子

川口 葉子

カフェ ガイド

ライター、喫茶写真家。著書に『東京カフェ散歩 観光と日常』『京都カフェ散歩 喫茶都市をめぐる』(祥伝社)、『街角にパンとコーヒー』『東京の喫茶店 琥珀色のしずく77滴』(実業之日本社)他多数。雑誌、Web等でカフェやコーヒー特集の監修、記事執筆多数。Webサイト『東京カフェマニア』主宰。

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カフェとなったのは母屋。
中庭の井戸には美しい仕掛けがほどこされて。


カフェは落ち着いた気品あるしつらえです。小上がりの壺に生けられた見事な花木。室内の光景を小さくゆらめかせる波ガラス。畳の間に座った人の中庭への視線をさまたげないよう床面を掘り下げた洋間エリア。モダンでシンプルなオリジナル家具。外壁の黒い漆喰。

「漆喰を復元できる職人さんを探すのが大変だったのです」
そう語る小森さんに、なぜこの家をカフェに?と尋ねてみました。

「私は飛騨高山の出身ですが、そこではみんなが一日に一度は喫茶店でコーヒーを楽しむ習慣がありました。誰もが行きつけの<自分の喫茶店>を持っていたのです。私が大好きだった喫茶店は、たぶん30年前の写真と比べても変化していないであろう歴史あるたたずまいのお店。それでいて、ちっとも古くさくないのです。喫茶店やカフェは生活の中で心を和ませる場所。この古民家の空気を今に活かすには、カフェこそふさわしいと思いました」

白い伊勢砂利を敷き詰めた中庭には、井戸が美しいオブジェとして残されていました。ガラスに覆われた井戸に人が近づくと、内部に仕込まれた照明が淡く点灯し、またすうっと消えていきます。
中庭をのぞむ縁台は喫煙席。屋外が気持ちのいい季節には、この縁台が一番の人気になるといいます。

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