限りなくゴージャスなシャンパーニュ
シャンパーニュ『クリスタル』、といえばワイン通ならピンとくる。きらびやかな黄金色のラベルをまとい、透き通ったボトルから注がれる液体は、とてつもなく芳醇で華麗なイメージである。派手なだけならシャンパーニュ好きは敬遠するかもしれないが、クリスタルは味もいい。デートや記念日など、あらゆる親密な晴れ舞台にこれほどインパクトのあるシャンパーニュもない。クリスタルはルイ・ロデレール社を象徴するプレミアムワイン。帝政ロシアの皇帝に、特別なボトル入りのシャンパーニュを納めたのが起源である。当初はクリスタル製ボトルで、一般の底にくぼみがあり色の濃いものと異なり、透明で底は完全に平たい形状。これは暗殺を恐れた皇帝が、刺客がくぼみに危険物を潜ませることを嫌ったためとも言われている。
現在はクリスタル製ではないが、透明なボトルと厚く平たい底は変わらない。オレンジ色のセロファンで包まれるのもクリスタルならではのスタイルである。光による変質を防ぐために通常のボトルは暗い色をしているが、クリスタルはこのセロファンが光を防ぐ役割をしているから、外さないで保管することになっている。
ではクリスタル、その中身はどんな味か? 先日行われた試飲会でクリスタルのヴィンテージ毎の違いを確認することが出来た。
クリスタル、その甘美な世界>>