コンビニグルメ/ソフトドリンク

家庭の味、今はブランドで勝負? 日本酒ブランドの甘酒(2ページ目)

ちょっと前まで甘酒というのは家で作って飲むものでした。ところが、最近は有名日本酒ブランドの缶入り甘酒をよく見かけます。過去から現在の商品をたどりながら、甘酒の宣伝戦略を探ります。

久須美 雅士

執筆者:久須美 雅士

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甘酒が家で作るものから店で買うもの、特にコンビニやスーパーマーケットが販売の中心となり、注目度の高いブランド名が必要になってきました。そこで出てきたのが、日本酒の名前です。日本酒を購入する場合、ブランド名で購入することが多いですよね。そこで、1990年代中期くらいから京都・伏見や神戸・灘の全国ブランドの日本酒の名前を冠した甘酒を見るようになりました。その当時、販売者は酒造会社の関連会社というケースが多かったですが、最近は酒造会社本体が販売者となっているケースがほとんどです。

大関(灘) 白鶴(灘)
月桂冠(伏見) 松竹梅(伏見)


また、有名ブランドでなくとも、名酒の産地の酒粕を使うことによりブランド力を上昇させるメーカーもあります。広島県東広島市西条町(ここも日本酒の産地ですね)のプリオ・ブレンデックス(宝積飲料)が販売している甘酒です。『西条産の酒粕使用』と缶に書いてあります。

プリオ・ブレンデックス(広島西条)



最近は『ボンカレーパン』『都こんぶあられ』のように、既存商品を合体して新しい商品を作り上げるケースが増えています。日本酒もただ飲むだけでなく、他の商品への展開が行われているわけです。新潟には地酒を使った『日本酒ゼリー』というものもあります。お酒は未成年が飲むわけにはいきませんが、甘酒だったら子供でも飲めます。子供の頃から自社の日本酒に慣れさせるということは無いでしょうが、日本酒を飲まない人たちへのブランド名の浸透には役立っている事でしょう。今後、どのような物と日本酒がタイアップするか、非常に楽しみです。
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