化学調味料を使わず、塩分は控えめ
▲基本メニューの「ラーメン」 |
「英」もその中の一人だが、時期的に脱サラで出店する人が多かった時期でもある。店主の清信さんもそう。一番時間をかけたのは場所選びだと聞いたことがある。確か1年くらいかかって、今の場所に決めたとか。激戦区の恵比寿を選んだというのは、それなりの決心と自信の現れとも言えよう。
恵比寿という地はラーメン激戦区と言われて久しい。確かにラーメン店は多い。しかし、ここ数年は他の飲食関係に押されて、そんなに多くの出店はない。レストランなどに人気の地域になったために家賃などの高騰があったと思われる。個人店舗が出店するには少々厳しい状況に変わってきているのだ。そういう意味では、今後、ラーメン激戦区としてのこれ以上の発展(新店の増加)は期待できない。増えるとしてもチェーン店か、それなりの組織を持った企業経営の店であろう。
もしかしたら「英」が最後の個人店舗になるかもしれない。さて「英」のラーメンはどんなラーメンか?懐かしい感じの「東京ラーメン」である。具は柔らかい肩ロースのチャーシュー、自家製メンマ、ノリ、そしてナルトと東京ラーメンを代表する具が入っている。スープはきれいな清湯スープで岩手産の丸鶏をベースにゲンコツやかつお節なども加えている。開店当初は永福町にある「大勝軒」が好きでその味をイメージしながら作ったラーメンであった。
開業から5年経った今、改めて食べに行ってちょっと話を聞いてみた。スープの魚ダシを押さえ、やさしくなっている。また、麺はこの6月に変えたばかりだそうだ。函館の老舗の製麺所、岡田製麺と聞いてちょっとびっくり。「東京ラーメン」の表情ながらなぜに函館の製麺所なのだろうか?はっきりした答えを聞くことは出来なかったが、函館のラーメンの歴史も古く、塩ラーメンが多い清湯スープの街。そんなところが「英」のスープに合ったのかもしれない。
固定客を掴んだであろう5年目を迎え、さらなる味の改良に努力していることは少々意外であった。ただし、開店当初からの「化学調味料は使わない」「塩分は控えめ」というポリシーだけは変わってなかったようで嬉しい。その分、過度なインパクトはなく、個性としても弱い。若い人やラーメン好きには物足りない味に思えてしまうかもしれない。しかし、今の風潮に合わせるのではなく、開店当時からのその主張を貫き通していることこそが「英」の大いなる個性なのだと思う。
【DATA】店名: ラーメン専門店 英(はなぶさ) 住所: 渋谷区恵比寿1-4-1 TEL: 03-3444-8723 営業時間: 11:30-15:00、17:00-22:00 土曜11:30-20:00 休日: 日曜祝日 メニュー: ラーメン700 塩ラーメン750 つけ麺700 チャーシュー+200 大盛り+100
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■恵比寿なら「AFURI」も近い。私が書いたその記事は→→→