お店のちょっとした気づかい
▲「えにし」のつけめん |
まもなく青年はトイレから戻り、また漫画を読みふける。すぐにラーメンは出来上がり青年の元へ。店主は「お待たせしました」の一言だけでラーメンをその青年に渡す。青年はちょっと前の出来事を知るよしもない。何もなかったかのように時は過ぎていった。元々好きだった店だが、さらに私のお気に入りの店になった。
つけ麺のスープ割り
つけ麺の「スープ割り」はどこから始まったのだろう?元祖である「大勝軒」の山岸さんも最初からやっていたわけではないらしい。「つけ麺大王」では最初から割り湯が出てくるので、そのあたりの影響かもしれない。お店にとっては、麺を水で締める作業や器を二つ使うことも含め、ラーメンと比べると随分と作業が増える。つけ麺をやらない店はそんなことも理由の一つであろう。スープ割りを頼む時に残ったつけ汁の量は人によって様々。でも、ほとんどの店は残量に関わらず、スープを「適量」加えるだけだ。だから、濃さもマチマチ。そんな中「湘南大勝軒」は、多めに残っていたつけ汁を少し捨て、程良い量にしてからスープを加えていた。もちろん、出てきたスープは大変美味しいスープだった。
つけ麺好きが作るつけ麺
▲「麺楽」のつけめんは麺が揃ってきれい |
ここの所、都内を中心につけ麺を出す店が増えたが「うちもつけ麺を出してみようか?」という程度の考えで出している店が少なくないように思う。つけ麺をおいしく食べさせようという気持ちが見えないのだ。ここでは出てきた麺がきれいに並んで見るからに美味しそう。しかも、見た目の良さだけではなく食べやすい。つけ汁の量と濃さ、具の量とカットの仕方、味付け、ついつい「これこれ」と思いながら顔がにやけてしまう。もっと近ければ嬉しいのだが。
こんなお店はおいしくても嫌い
ある夏の暑い日、駅から遠く、やっと着いたお店はエアコンがあまり効いて無く、汗が流れ出す。しかも換気も悪い。厨房はもっと暑いんだろうな、と同情もするがそんな環境でおいしいラーメンが作れるのだろうか?と疑問に思う。喉の渇きを癒すため、水を飲むとぬるい。氷も溶けきっているようだ。もちろんおいしくもない。そして客数が少ないのに、注文したつけ麺に時間がかかりすぎる。出てきたつけ麺は、やや小さめの器にぎっちりつまった麺。どうしてこんなに窮屈にしてしまうのか?案の定、麺を持ち上げにくいし、ほぐしにくい。さらにこの麺、自家製なのだがちょっと長めなのか、箸で麺を持った手を高く上げても上がりきらない。となると途中でつけ汁に入れることになり、器からこぼれること数度。ここの店主は自分でつけ麺を何度か食べたことがあるのだろうか?せっかくおいしいつけ麺なのに、おいしく食べされる環境が全く出来ていないのだ。
====================
●【コラム】ラーメン店のサービス
●つけ麺の元祖「超難関のラーメン店」