女性のためのグルメ情報/新オープンのレストラン

BIODINAMICO ビオディナミコ(イタリアン・渋谷)(2ページ目)

2009年9月4日オープンのイタリアンレストランです。賑やかな通りから、ガラス一枚隔てただけの図らずも落ち着ける空間は、渋谷であって渋谷ではない大人の空気。シェフはトスカーナで経験を積んだ辻 大輔氏。

執筆者:河野 優美

白インゲン豆とオリーブオイルの組み合わせが風味豊か。

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トスカーナでよく食べられてい
る「インゲン豆のインサラータ」。

通常、ランチは3,800円のコース(別途消費税)も用意されていますが、今回はグランドメニューの中から、こちら「ビオ ディナミコ」の代表となる4品をいただいてみました。

アンティパストは、「白インゲン豆のインサラータ」。白インゲン豆は、トスカーナでよく食べられている食材で、「インサラータ」とは、日本でいうサラダのこと。赤タマネギの苦み、ざくざくと切ったセージの香り、トマトの甘みがうまく引き出されているのが特徴。香りと食感を楽しめるよう、あえて皮付きにしたセロリとオリーブオイルが、絶妙な組み合わせです。

豆のサラダは、葉モノのように、まんべんなくドレッシングが行き渡りにくいため、いつもなら積極的には頼まないメニュー。そんな思いもありつつ、いただいたインゲン豆でしたが、スルッと口にすべり込む冷たさと適度なやわらかさは、早々に平らげさせるだけの美味しさ充分。フルポーションにもかかわらず、いともあっさりなスタートです。

コシの強さとやわらかさが共存するフェットチーネ。

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フェットチーネの色が濃いのは、「力丸くん」の含有率が高いため。

プリーモピアットは、「フェットチーネ カチョエペペ」。黄色ともオレンジともつかぬ手打ちのフェットチーネは、その色からもわかるように、こだわるのは、使用する卵。それは、ポストハーベストフリーのトウモロコシを主原料にした「力丸くん」。パワードエッグとも言われる、コクのある卵です。

そのため、味がしっかりしていて、黒胡椒とチーズのソースに負けないだけの食べ応え。薄いときしめんぽくなるとのことで、太く厚めを意識して打ったというフェットチーネは、「コシが強い」との説明もありましたが、噛んでみると、確かにそれはそう。でも、ただ強いだけでなく、やわらかさも共存している食感でした。

飽きさせない工夫は、ミモザの塩味とソースの酸味。

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スズキを引き立てる「ジャガイモのミモザ」の塩味。

セコンドピアットは、「鮮魚のバッポーレ ジャガイモのミモザ」。これは、1.5キロのスズキをそのままオーブンで蒸したフィレに、そぼろ状にしたジャガイモとイタリアンパセリを散らしたひと品。

スズキは、しっとりとした白身が上品で美味しいですが、続けて口にしていると、少々淡白にも感じる魚。それを補うのが、ジャガイモにつけた強めの塩味です。そこに加わるのが、ケッパーとトマトソースの酸味。あっさりとした味わいながら、飽きさせない工夫を感じます。シェフいわく、「塩加減と、骨の残りがないかどうかは、いつも細心の注意を払う点」。

もそっとした栗粉が、温かさと幸せ感を呼ぶタルト。

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レーズンとの相性を愉しむ「栗のタルト」。

ドルチェは、「栗のタルト」。これは、栗の粉を使ったタルトを、ローズマリーと一緒に焼き上げたもの。ポイントとなるのは、クリームではなく、ラム酒漬けのレーズンをあしらった点。「タルトとレーズンは一緒に食べて下さい」と言われましたが、その言葉通り、栗粉のほのかな甘みとラム酒の深みは、思いの外、好相性。

「もそもそしてますよ!」とも言われましたが、このお菓子の魅力は、まさにそこ。と言っても、いただいてみると、気になるほどでもなく。逆に、栗粉のもそっとした感じが、口の中を温かくすることで、田舎町の素朴さを思い起こさせ、幸せな気持ちにさえなるほどでした。

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