「アルテリーベ」がプロポーズに適している理由。
ピアノの四角い木目を核に、床の木目も四方に広がりを見せます。 |
この「アルテリーベ」のどんな所が、プロポーズに適しているのかと言えば、まずは、音楽と美食が紡ぎ出す華やかさが重要な要素。でも、もうひとつ、はずせないのが、店内中央にそそり立つ、黄金の月桂樹の葉を描いた円柱の存在です。
なぜなら、これがあることで、広いダイニングの中でも、ある程度のセミプライベート感が保たれるから。これにより、他人の視線が気にならなくなり、二人だけのスペシャルな世界に浸れるというわけです。
そして、この円柱の間から、美しい音を奏でるのは、「ベッセンドルファー」という特注のピアノ。男性が指輪を渡した瞬間、事前にリクエストされていた二人の思い出の曲を演奏し、雰囲気作りに一役買うことも多いそう。これは、ピアノに限らず、夜ならバイオリニストが、二人のテーブルまで出向き、演奏することもあるのだとか。
「結婚しようよ」と書かれたデザートプレート。
黄金の月桂樹の葉を描いた円柱がそそり立つ店内。 |
それと同時に、運ばれるのが、「結婚しようよ」という文字が書かれたデザートプレート。中には、「ずっと一緒にいようね」という言葉をお願いする人も。
でも、それだけでは演出不足と、さらに花束まで用意する人も。これは、お店側が最初に預かっておき、その瞬間が来たら、席まで持って行くパターンがほとんど。
なので、事前に協力を要請されている場合、指輪を渡すスタッフ、花束を渡すスタッフ、デザートプレートを運ぶスタッフと、しっかり分担を決め、タイミングをはずさないよう、最善の注意を払うそう。男性が放つプロポーズの緊張は、お店側にも大いに伝染するようです。
成功の確率は約9割。では、あとの1割は?
自家製の柚子ジャムとスパークリングワインを合わせた「柚子のミモザ(1,680円)」。この他、ダマスクローズ、ベリーニローズ、スターフルーツリキュール、ミントリキュールも常備。 |
成功の確率を聞いてみると、その場でOKは、なんと約9割。では、「1割は振られたの?」と他人事ながら心配してしまいますが、それはお店が知る限り、ゼロ。残りは、保留なのだそう。
と言うのも、長く付き合ってきたカップルの場合、それまでにもそれらしい話は出ていることがあるため、プロポースはプロポーズでも、ある意味、区切りのプロポーズ。そういう場合は、「アルテリーベ」が持つ特別感のある空気も手伝い、女性がその場で「はい」とうなづくことが多いのだそう。
でも、今までにそういう話が全くなく、サプライズでプロポーズをする場合、保留になるケースがやはりあると、長年そんな光景を見てきたお店の方は言います。
そんな時、男性は見るも無残にうなだれてしまうかと思いきや、内面はどうあれ、レストランではいたって紳士的。「OKの返事はもらえなかったけど、彼女が楽しんでくれたから、それでいい」と、笑顔でお店の人にお礼を言い、帰って行く人も。これって、なんだかいい話。
保留にした女性の中には、もしかするとプロポーズより、この言葉の方がジンときてしまう場合もあるかも。思い通りにならなかった時の言動こそ、その後の運命を決める、大事な鍵。それはプロポーズに限らず、すべてにおいて言えることかもしれません。
ケーキの中に指輪を隠すサプライズ。
オレンジのムースを土台に、マロンクリームとマンダリンをのせ、マーブルチョコレートでコーティングしたモンブランと、マンダリンとミントのソルベ(1,575円)。モンブランの中には、甘さがしつこく感じるものもありますが、ここのは、程よく後を引く甘さです。 |
意外だったのが、ケーキの中に、指輪を隠すサプライズが、ここでは1組だけなこと。伊東美咲さん主演の『山おんな壁おんな』で、川田広樹さんが婚約指輪を入れたマティーニを、「僕の気持ち」と言って深田恭子さんにすすめる場面がありましたが、それはドラマの中のこと。実際には、食べ物や飲み物に指輪を入れる人は、案外少ないようです。
次ページでは、『流星の絆』で「とがみ亭横浜本店」として使われた「アルテリーベ」撮影裏話をご紹介します!