世界最大ビール醸造企業公認「アントワープセントラル」。
ベルギーの国民食「ムール貝のキャセロール ヒューガルテンビール煮」。 |
現在、100を越える醸造所で、800種とも言われる地ビールを造り出すベルギー。ゆっくりと時間をかけてビールを楽しむ歴史は、1,000年の伝統とともに今も息づいています。
そんなベルギービールとのコーディネイトで、ベルギー伝統料理を楽しむのが、丸の内の「アントワープセントラル」。代表的なのが、「ムール貝のキャセロール ヒューガルテンビール煮」。これは、ベルギーの国民食とも言えるメニューで、セロリなどの香味野菜とヒューガルテンビールで、ムール貝を蒸し煮にしたものです。
食べてみると、けっこう塩味を感じますが、塩は一切使っていないので、これはすべてムール貝から出たもの。少し効かせたニンニクの旨みと相まって、次々手を出すおいしさです(2~3名分:25~30枚)。
ゼネラルマネージャーの長沢さんに、本場のムール貝の食べ方を見せてもらいました。左:ひとつ目のムール貝をフォークで引き出す。 |
右:ふたつ目からは、ひとつ目の殻がフォーク代わり。左:空いた殻を重ねる。 |
これを現地では、ひとつ目のムール貝だけをフォークで引き出し、ふたつ目からは、ひとつ目の殻をフォーク代わりにするのだそう。そして、丁寧な人は、その殻をスリッパのようにうず高く積み重ねる。この食べ方が、ベルギー風。そして、ここにフリッツがあれば、言うことなしです。
砂糖のみで煮詰めたリンゴが生かす豚肉のソーセージ。
BBQのスペシャリテ 本日の豚肉料理 自家製ソーセージ。 |
そしてもうひとつ、ベルギーでよく食べられるのが、豚肉。豚足まで余す所なく、よく食すのだそう。そのため、こちらのメニューの中にも「BBQのスペシャリテ 本日の豚肉料理」が。これは、岩手の白金豚、鹿児島の霧島豚、三重の松坂豚などの種類や、骨付き(2,850円)、内臓や豚足(1,300円)などその日の部位によっても金額が異なり、ちなみにこの日いただいたのは、自家製ソーセージ(1,950円)。広島の幻霜豚が原料になっていました。
そのまま食べても、プリップリでおいしいですが、添えられたリンゴのコンポートをつけると、さらに美味。これはベルギーの街の食堂ではよく見かけるスタイルだそう。砂糖のみで煮詰められたリンゴは、自然な甘さが豚肉をよく生かします。
また、お皿を埋め尽くすように盛られた焼き野菜は、無農薬で栽培された山梨の東八(とうはち)野菜。この日は、ズッキーニ、サツマイモ、ヤングコーン、プチトマト、インゲン、モロッコインゲン、ナスなど。時々、驚くほどたくさんの野菜を背負って現れるという、作り手のおじいさんの姿が目に浮かぶようです。
実在したベルギーカフェを再現するベルジアン・ビアカフェ。
地下であって地下じゃない「アントワープセントラル」入口。 |
そんな「アントワープセントラル」は、世界最大のビール醸造企業「InBev」社公認のブランド「ベルジアン・ビアカフェ」の日本第2号店。現在、オーストラリア、ニュージーランドなど世界に59店舗展開するうち、59番目の日本展開フラッグショップとしてオープンしました。
店内のモデルは、1930年~1955年に実在したベルギーのカフェ。そのため、1920年代のアンティークのストーブをはじめ、テーブル、椅子、タイル、シャンデリア、鏡、バーに至るまで、すべてがベルギーからのインポート。細かいパーツで言えば、カウンターのシンクやビアサーバー、電球のひとつまで、ベルギー調達しています。
ならば、やはり仕上げも、ベルギーから招いた大工さんでなくては。気を使ったのは、アンチエイジングならぬ、エイジング。使い込まれた雰囲気を表現するため、天井をわざと汚すなどして、より本場に近い内装に近づけました。
ベルギービールの魅力は、ふり幅と自由度!
店内入って右側のバーカウンタスペース。左はダイニング。 |
今回、取材に対応していただいたゼネラルマネージャーの長沢さんに「ベルギービールの魅力とは何ですか?」と聞いたところ、答えは「自由度」。「麦と水と酵母で作るビールが多いドイツに比べ、ベルギーはスパイス、ハーブ、果物と何でもあり。食前酒から食後酒まですべてビールで通せるほど、ふり幅が広い。ちなみにお奨めのビールは、食前ならさわやかな柑橘系のヒューガルデン、食中なら修道院で作られるロシュフォール、食後ならティママンのフランボワーズかぺシェ」。
「ベルギービールのお店は、マニアックで入りづらいと思っている人もいますが、実はその逆。ある程度の水準が保たれたベルギー料理は、リーズナブルな上、どれを頼んでもハズレがないと言われます。だから、高級なフランス料理より安心感がある。なので、ビールで冒険しても、それはご愛嬌。入門編を楽しむ気持ちで、ぜひ来てもらいたい。ベルギービールは、味わいだけじゃなく、注ぎ方からすべてがサービスです」。
そんなサービスを、下記の写真でお楽しみいただきながら、次ページでは、ベルギー郷土料理&ベルギービール「シャンドゥ ソレイユ」をご紹介します!
右:ベルギーから取り寄せたシンクでグラスを冷やす。左:さらに冷たい水が勢いよく出る装置でグラスを冷却。 |
右:ベルギー製のサーバーで冷却したグラスにビールを斜めに注ぐ。左:泡が落ち着いてきたら、ゆっくりグラスを置いて溢れるまで注ぐ。 |
右・溢れた泡をさっと切る。左:瓶の場合は、醸造所独自のグラスに注ぎます。 |
「ベルギービールやベルギー料理のことは何でも気軽に聞いて下さい」とゼネラルマネージャーの長沢さん。 |
<店舗データ>
■ベルジアンビア・カフェ アントワープセントラル
所在地:千代田区丸の内2-7-3
東京ビルBF1
TEL:03-5288-7370
営業時間
ランチ :11:30~13:30(LO)
カフェ :14:00~17:00(LO)
ディナー:17:00~26:00(LO)
土曜日 :12:00~26:00(LO)
日曜日 :12:00~23:00(LO)
定休日:ビルの定休日
喫煙可
JR東京駅丸の内南口より徒歩約1分
丸ノ内線東京駅地下道経由で徒歩約3分
地図:Yahoo!地図情報
次ページでは、ベルギー郷土料理&ベルギービール「シャン ドゥ ソレイユ」をご紹介します!