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マ・シャンブル & レストランしゅん(3ページ目)

緑溢れる都市空間に花開いた2店。カリフォルニア・キュイジーヌの「レストランしゅん」は閉店してしまいましたが、キュイジーヌ・ナチュレールの「マ・シャンブル」は現在も健在です!

執筆者:河野 優美

ゲストのネオハウス的存在のレストラン「マ・シャンブル」。

マ・シャンブル

エジソンランプのシャンデリアが、グランドピアノに光を落とすメインダイニング。触り心地のいい厚めのカーテンには、今日の輝きを映す絵のない額。

この個性的な空間をデザインしたのは、東京ミッドタウン「Union Square Tokyo」、汐留「Fish Bank Tokyo」、青山「PIERRE GANAIRE a Tokyo(海外デザイナーとのコラボレーション)」などを手がけた山際純平さん。

マ・シャンブル
ペルシャ柄の絨毯が印象的なグランドサロン。
左右に配されるのは、親しい人だけで寛げるプライベートサロンやワンランク上のセレブ感をまとうグランドサロン、シンプルなインテリアが今宵の一杯を誘うバースペース、食後の余韻に浸るスモールラグジュアリーなラウンジスペース、そして夜風のざわめきがBGMになる屋根の下のテラス(ここは飲食不可)。

ここは、まさに訪れる人のネオゲストハウス(別邸)。「マ・シャンブル(私の部屋)」と言います。

信州直送特別栽培野菜で作るキュイジーヌ・ナチュレール。

マ・シャンブル

お料理は、自然の恵みを身体に優しいフレンチに仕上げた「キュイジーヌ・ナチュレール」。この他、ディナーでは、技を尽くした贅沢な美味が堪能できる「キュイジーヌ・ガストロ」も登場します。

使われるのは、どちらも信州から直送される特別栽培野菜。

マ・シャンブル
オリーブオイルとともに出てくるパン。
それは主に、10年前のスタート時から今日まで一滴の化学農薬も使っていないという「にしわきファーム」の野菜。安全性はもちろんですが、もうひとつの特徴は、糖度が高いこと。畑が、昼と夜の寒暖差が激しい標高930メートルの地にあるため、野菜が糖分をため込んで美味しく育つからだそう。

そんな甘みが豊富な野菜を使った一皿目は、前菜「アスパラガスと蟹、アボガドのシャルロット仕立て」。

マ・シャンブル
貝のようなメインダイングのソファ席。
これは、軽く自家製マヨネーズで和えたアボガドと毛蟹のほぐし身を、ゆでてスライスしたアスパラで巻き、レッドクローブやシブレット、セルフィーユなどを詰め込んだもの。

まずはアスパラだけいただいてみましたが、本当に水々しい。潤いの中から徐々に顔をのぞかせる甘みも、とてもスッキリしています。こうなると、あとはナイフを入れるに任せるだけ。アスパラの柵からこぼれ落ちるアボガドがたっぷりついた毛蟹に、急いでフォークを走らせるうち、あっという間に食べ切ってしまいました。真夏の畑で汗をぬぐう作り手に感謝したい一皿です。

一皿の表現は、生産者のベストを見せること。

マ・シャンブル

メインのお魚は、野菜ほど産地は限定されていませんが、毎日3種類が届くそう。日によっては、得意じゃないお魚が入っていることもあり、箱を開けてがっかりすることも。シェフだって人間。たまには、苦手な食材があってもおかしくないですよね。

マ・シャンブル
2種類の炭で焼いたメイン「沼津港直送鮮魚の炭火焼き 温野菜添え」。
そんな時は、生産者の顔を思い浮かべ、モチベーションを上げるそう。「一皿の表現は、生産者のベストを見せること」。それが、真中シェフのモットーだそう。

そして、これらの魚はほとんどが2種類の炭を使って焼かれます。それは、「かみこまる」と「備長炭」。

マ・シャンブル
左:備長炭。右:かみこまる。
「かみこまる」は10分ももたないほど燃えるのが早く、これを使って焼いた食材は硬くなるそう。一方「備長炭」は、火の入り方がゆっくりで、30分後くらいからやっと真っ赤になるので、これを使った食材はやわらかく仕上がるそう。なので、この2つをブレンドすることで、それぞれの弱い部分がカバーでき、最上の焼き上がりが期待できるのだそう。これは、お肉でも同じ。美味しく仕上げるためのシェフのこだわりが、炭の種類にまで及んでいることに、とても驚くとともに心打たれました。

マヨネーズ片手に向かう畑のキュウリがおやつがわり。

マ・シャンブル

デザートは、「桃のグリルと季節の果実のシャンパンジュレ」。果物は、桃、苺、ブルーベリー、チェリー。酸味の強くない果物ばかりを合わせてあるせいか、強い印象や味の強弱はないけれど、その分、味わいにうっとりするようなやさしさがあります。それが冷たいジュレに促され、つつっと喉を通ってゆく。新鮮であればあるほど、美味しさが際立つ一皿です。

マ・シャンブル
デザートの後の小菓子。マドレーヌとトリュフ。
この新鮮さを、小さい頃から堪能していた真中シェフ。それは自宅の畑。マヨネーズを持って出かけて行き、いつもキュウリやトマトをおやつがわりにしていたそう。そのせいか、今も畑を見るのが大好きで、長野や成田へ時々出向くそう。もっとも今は仕事のため。まだあまり日本で知られていない美味しい生産者を探すためとか。

「畑自体は良くても、そばに高速道路が走っていてはダメ。また、農薬を使用していない畑でも、すぐ隣の畑で使用していたらダメ」。最高の条件を持つ生産者に出会うのは、真夏にセミのいない木を探すくらい難しい作業のようです。

そんなシェフの9月のランチコース(3,600円)はこちら!********************************************************
~大地に立つ西脇さんと真実の卵、糖度18度のとうもろことしトリュフ畑 函館港産毛蟹添え~
~沼津港直送白身魚の炭焼料理 又 ハンガリー産仔牛ネックの炭焼き、唐桑産牡蠣のポシェ添え~
~長野産リュバーブのタルトとヨーグルトソルベ、マンゴーソルベ、フランボワーズソルベ~
********************************************************
どうぞお楽しみに(ランチは1,200円~)!

【関連記事】フレンチガイド・嶋さんの記事マ・シャンブル(六本木一丁目)

マ・シャンブル
スモールラグジュアリーなラウンジスペース。
<店データ>
MaChambre(マ・シャンブル)
所在地:港区六本木1-6-1泉ガーデンタワー3F
TEL:03-3560-5013
営業時間
ランチ  11:30~15:00 (LO)平日のみ
ディナー 18:00~22:00 (LO)平日のみ
ラウンジ 17:30~25:30 (LO)月~木
      17:30~27:00 (LO)金曜のみ
定休日:無休(土日祝は貸切)
禁煙
南北線六本木一丁目駅上
銀座線・南北線溜池山王駅徒歩約10分
日比谷線・神谷町駅徒歩約8分
地図:Yahoo!地図情報
MaChambre(マ・シャンブル)レストランブログ
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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