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マ・シャンブル & レストランしゅん(2ページ目)

緑溢れる都市空間に花開いた2店。カリフォルニア・キュイジーヌの「レストランしゅん」は閉店してしまいましたが、キュイジーヌ・ナチュレールの「マ・シャンブル」は現在も健在です!

執筆者:河野 優美

【こちらは2008年3月に閉店しました。】
次ページ、「マ・シャンブル」のとびきり新鮮な野菜で仕上げるコースはこちら!

旬・春・瞬・俊・駿を店名に託した 「レストランしゅん」。

レストランしゅん
ガラスに囲まれた店内は、天井に飾られたベネチアングラスのシャンデリアまで、高さなんと5メートル。レストランとしては申し分のない開放感が、たくさんの光を抱き込み、たおやかにゲストを迎えます。

それは、“旬” “春” “瞬” “俊” “駿” という新鮮な響きを店名に託した「レストランしゅん」。奥の壁に君臨する巨大な鏡は、このレストランの未来を映すべく、今日もシャープで優美な空間を演出しています。

軽やかさとしとやかさを併せ持つカリフォルニアキュイジーヌ。

レストランしゅん
お料理は、最先端のカリフォルニア料理。移民の国であるアメリカだからこそ発達したこのジャンルは、「こうやったら美味しいよ」と移民同士がそれぞれの国のいいところを出し合っているうち、自然融合的に生まれた人種のるつぼならではの産物。

泉ガーデン
鴨のフォアグラをポートワインで仕上げた「フォアグラのソテー、ポートワイングレゼ フィールドグリーン添え」。
そんなボーダーレスで自由な感覚は、時にその美味しさを「シンプル」と表現しますが、加藤シェフは言います。「シンプルが美味しいんじゃない。美味しいものを出そうとしたら、シンプルだっただけ」。

その言葉通り、この日最初に運ばれてきた前菜も、美味しい素材をさらに美味しくする分だけ手を加えた、直球勝負の一皿。「イベリコ豚のチャーシューをハーブマスタードソースで」。

泉ガーデン
前菜とメインの間で選ぶ本日のスープor本日の野菜のパスタ。
これは、自家製チャーシューを、パサパサ、カチカチにならないよう短い時間でブレゼ(蒸し煮)し、タラゴンやセルフィーユなどやさしい味のハーブを加え、フレンチマスタードで仕上げたもの。

複雑に脂が入ったイベリコ豚の肩ロースを使っているだけあり、チャーシューはとてもやわらか。そこにハーブの軽やかな苦味とマヨネーズベースで作られたソースの酸味がうまくかみ合い、繊細な味わいになっています。

泉ガーデン
オリーブオイルとともに出てくるパン。
メニューを見た時は、チャーシューという素材から、がっつりいく男性的な一皿をイメージしていたのですが、見た目も味も意外に女性的で、意表を突かれました。でも、これこそがカリフォルニアキュイジーヌ。「クイーン・アリス」の石鍋シェフや「シェ・イノ」の井上シェフの美しいフレンチに憧れ、フランス料理の道からスタートした加藤シェフらしいアレンジです。さらにランチに限ってはサラダベースにしているそうで、よりキュイジーヌの軽やかさやしとやかさが引き出されている感じでした。

ロブスターとバジルをストレートに楽しむ車海老のソテー。

レストランしゅん
本日のスープの「ガスパチョ」が出た後、いよいよメイン。「車海老のソテー、バジル風味のロブスターソース」を選びました。

これは、ロブスターの殻から作ったエッセンスを煮詰め、バジルと合わせたソースを、車海老とふんだんな野菜に添えたもの。クリームを使わないソース作りが、華やかな見た目をいい意味で裏切り、さっぱりとした味わいを連れてきます。でも、下味はしっかりとつけてあり、それがとてつもなく美味しい。

泉ガーデン
マリネしたラムにバルサミコが生きる「仔羊のグリル、バジルマヨネーズとバルサミコレダクション」。
このロブスターとバジルをストレートに合わせるのが、最近の加藤シェフのヒット。サーモンにバジルは合わないけれど、海老系はその風味がとても生きてくるそう。

そんなメニュー作りは、日々ちょこちょこ行うのが加藤シェフ流。というのも、自分の中に引き出しを作らないのが、現在の信条。以前はその引き出しにたくさんのメニューをストックしていたそうですが、今は素材を見てから決める、その場で膨らませる、そんな自分に期待しているとか。

泉ガーデン
デザートは日替わり。キャラメルのムースとブルーベリーのアイスクリーム。
なので、ゲストから「○○ある?」とか「○○が食べたい」などとリクエストされると、とたん燃えるのだそう。「このおもちゃで遊びなさいと言われても楽しくない。このおもちゃで遊びたいと自分から思いたい」。加藤シェフにとっては、メニューをそつなくこなすだけがお料理ではないのですよね。きっとその先にあるメニューこそが、加藤シェフの真髄。

「料理とはゼロの一皿。そこに、料理人の意志がのっていないといけない」。

泉ガーデン
やさしい泡に包まれたコーヒー。
鍵っ子で余り物を使って自分で料理を作っていた小田原での子供時代。フライパンに触れる人を尊敬の眼差しで見ていたその頃の加藤シェフ。たくさんの食材を知り、たくさんの修行を重ね、現在はたくさんのゲストのわがままに応える。

ここはランチもさることながら、ディナーでゆっくり希望を伝えたい、心底食べるのが楽しみなレストランです。

泉ガーデン
窓の外にもいくつかテラス席が準備されています。
<店データ>
レストランしゅん
所在地:港区六本木1丁目6-1 泉ガーデンタワー5F
TEL:03-5575-8055
営業時間
ランチ  11:30~14:00 (LO)月~金
ディナー 18:00~22:00 (LO)
ラウンジ 18:00~23:30 (LO)
定休日:日曜日
レストランの一部および個室喫煙可
南北線六本木一丁目駅上
銀座線・南北線溜池山王駅徒歩約10分
日比谷線・神谷町駅徒歩約8分
地図:Yahoo!地図情報

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